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異世界制圧奮闘記  作者: 大九
第2章 入試編
38/58

第16話 目立ちたくはないから、結果としてはいいんだけど!!

試合開始直後になって周りを見たら、すごいギャラリーがついていた。今まで僕の試合にはギャラリーなんていなかったのに。このマーガレットと呼ばれた子は随分人目を惹くんだな。

因みに、試合は開始早々からにらみ合いになった。マーガレット(面倒くさいので以下メグ)が間合いを開け、様子を伺っているんだろう。今までの試合の様子でも相手の攻撃にカウンターを食らわせることで優勢に進めているしね。

そのまま、にらみ合いが5分くらい続いた。こっちから仕掛けることはいくらでもできるけど、向こうがどんな事を仕掛けてくるのかなとワクワクしていたら、ずっとにらみ合いになってしまった。ギャラリーもなぜか固唾を呑んで見守っている。仕方がないな。こっちから仕掛けるか。

僕はふらっとメグの方に歩を進めた。その瞬間、この試験場の緊張は最高潮に達した。

僕がメグとの距離を半分ほど詰めたその瞬間、メグは姿を消した。僕はそのまま前に飛び込む。一瞬前まで僕のいたところに風の魔法が吹き抜ける。僕はそのまま左に飛び退き、バックステップでメグの攻撃を躱す。

再び背後に気配を感じた瞬間、僕はしゃがみこんで攻撃をやり過ごす。頭上を雷が飛んでいった。こえ~。僕は、そのまま背後の気配に向かって振り返りながら拳を突き上げる。丁度メグのみぞおちにヒットし、腹を抱えてうずくまるメグ。やばい、女の子相手にやりすぎたかも。

幾分ダメージが和らいだのか、まだ腹を抱えながらも立ち上がったメグはこちらを睨みつけた。メグがはじめて見せた明確な殺意であった。やばい、マジで怒らせたかも。

メグの姿が消える。右方からの微かな気配から、僕は後ろに下がり攻撃をやり過ごす。そのまま、前後左右、果ては真上からの攻撃を交えてメグが猛ラッシュをかける。その攻撃の激しさにギャラリーからは感嘆の声が湧き上がる。僕は必要最低限の動作で攻撃をかわし続け、隙を伺っていた。

ずっとまとわりついていたメグの気配が急に離れたと思った瞬間、僕の前方にメグが倒れこんだ。かなりの疲労困憊状態のようである。試験官は、すぐに試合を中断しメグの状態を確認、僕の勝ちとなった。試験官が数人集まっていろいろ魔法をかけてメグの介抱にあたっている。周りを見るとギャラリーもあちこちに散らばっていっていた。口々にメグの戦いを褒めている。勝ったのは僕なのにと思うと、釈然としない気がするけど、目立ちたくはないし結果オーライだろう。

ふと、後ろから誰かが抱きついてきた。

「ダーリンもえげつない事するね。確かにあの子は強いけど、ダーリンだったら秒殺もできたんでしょ?」

僕は苦笑いをしながら、抱きつくトルチェを引き剥がした。今、この一瞬で試験場の男子全員を敵に回したようだ。

「あの子は、結局どうしたんだ?」

僕は、メグのことを聞くと、トルチェは興味ないって感じで答えてくれた。

「ただのオーバーワークでしょ。ダーリンに一撃もらっちゃった後、あの子フルパワーの魔法で攻撃してたじゃん。魔力は無限じゃないからね。使いすぎてなくなっちゃったんでしょ?それにあの子は自分の体も使う格闘タイプだから体力的な意味でも限界だったんでしょ。というか、ダーリンそれを狙ってて攻撃を避けていたんじゃなかったの。相変わらず、魔法も使わないし。」

なんか、雲行きが怪しくなってきたな。

「そ、そういえばトルチェの方はどうだったの?」

「もちろん10戦全勝!合格まちがいなしよ。ダーリンも後2試合でしょ?頑張ってね。」

丁度、僕の9試合目の招集をかけるアナウンスが放送された。

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