第15話 試験は順調に進んでます。
「君は運が無いね。せっかくの魔法高校試験、俺なんかと当たらなければもっといい成績を残せたかもしれないのにね。」
そのまんま魔法使い君はなんか偉そうな事を宣っている。よっぽど自信があるんだろう。というか、そんなに自信があるなら一高とか受ければいいのに。
やがて、試験官が真ん中に立って試験開始の合図をした。魔法使い君は空中に何千という炎の針を漂わせた。
「すごいだろう。一度にこんなに炎の針を出せるのは俺くらいなもんだ!」
はいはい、すごいすごい。御託はいいからやるならさっさとしろ。
「もし、君が今負けを認めるのであればこれらをお見舞いすることだけはやめてあげよう。どうかな?」
どうかな?って、負けを認めたらそこで試験終了なんだから、攻撃できないじゃん。なに言ってるの?あの魔法使いは?
「いいから、その自慢の針で攻撃してみろよ。そっちが行かないならこっちから行くけど?」
「は~。俺のこの圧倒的力量を見て、それでも一歩も引かないのは賞賛に値するよ。君に惜しみない拍手を贈ろう。しかし、哀しいかな。君のその勇気は蛮勇と言うものだ。相手の力量も全く測れないのは戦場においてすなわち死を意味する。そのことを今、俺が教えてあげようではないか。」
ようやく、魔法使い君は無数の針を飛ばしてきた。確かに、これは面倒な攻撃だ。しかし、ここに来る前のスパイ養成学校での訓練に比べたらぬるいとしか言いようが無い。
僕のいたところが爆風に包まれる。何千という炎の針が降り注いだのだ。まあ、そんなとこだろう。
「済まないね、しかしこれも勝負の世界。恨まないでくれよ。」
魔法使い君は、ほろりと涙を流して(目薬使用)、無常観を漂わせた。僕はそんな彼の背後にすっと忍び寄って、十分注意して手刀を食らわせた。なにも言わず魔法使い君は意識を手放してその場に倒れた。
なんか、試験官の人もありえないって顔をしている。
「もう、終わりでいいんでしょ?」
僕が聞くと、我に返った試験官は、怪訝な顔をして聞いてきた。
「君は、あの攻撃をすべて躱したのかね?」
「ええ、そんなの普通ですよね?」
なんでそんなの聞くんだろうと思ったが、まあいいや。
僕の勝ちが確認されて、僕は試験場を後にした。
その後、数試合をこなして、一息入れたところにトルチェが寄って来た。
「ダーリン、ここまでどう?」
「ああ、一応7戦全勝。意外と何とかなるな。」
「私も8戦全勝!!でも、回復魔法してもらうとなんかムズムズするよね。なるべく、攻撃を躱すんだけど、1・2発は食らっちゃうから、3試合に一回くらいは回復魔法をしてもらうよね。」
「え?回復魔法?僕そんなの一回も受けてないんだけど?」
確かに、最初の説明で回復魔法がどうとか聞いた気がするけど・・・。
「ダーリン、もしかして、一度も回復してもらってないの?」
「だって、相手の攻撃を受けてないから、必要ないでしょ?」
「でも、魔力回復をしてもらわないと、途中で魔力切れになっちゃうよ?」
なるほど、魔法を使いまくると魔力切れもあるのか、はじめて知った。
「まあ、でも魔法も一度も使ってないし・・・。」
なんか、トルチェがありえないって顔をしている。
「え?じゃ?だ、ダーリンはこの7試合全部攻撃を避けて、しかも魔法を使わずに勝っちゃったの?」
「うん、なにかおかしいかな?」
トルチェが何か言おうとしたけど、丁度次の試合だと僕を呼ぶアナウンスがあった。
「ごめん、トルチェ。呼ばれちゃったから行くね。残りの試合もがんばろうね。」
トルチェはまだ信じられないって顔をしていた。
さて、次の試合は?っと試験場を覗いてみたら、そこにはあの身体強化の美少女がいた。
「これより、試験を始める。8勝0敗、マーガレット・サルトル。7勝0敗、チカラ・スズキ。・・・。始め!」
さて、どう戦おうかな?




