第11話 慣れない街は一人で歩くものではありません
結局、トルチェたちのところから帰るのに、盛大に迷いながら帰った。行くときはサフィが道案内をしてくれたし、サラも昔ここを来たことがあるらしく、なかなかに快適に行動できた。しかし、サラたちとは途中で別れ、サフィを先に返してしまったから・・・。
過ぎたことを悔やんでもしょうがないので、家があったであろう方向に向かってトボトボと歩く。ようやく、見覚えがあるような景色に出てきたら、サフィが道の端で何やらやっている。先帰っていいと言ったら道草か。しょうがないな。
「サフィ、こんなところでなに道草をくっているんだ?」
サフィは助かったとばかりにこっちを振り向いて抱きついてきた。
『ご主人様、助けてください。ええ、それはもう可及的速やかに、なににおいても早く、お願いします。ここにいる精霊とパパっと使役契約を結んじゃってください。』
サフィが指差す先には青い精霊が横たわっていた。少し、金が混じっているところを見ると、どうやら光を少し使える水精霊みたいだ。なんとなくわかるがなかなかの高位精霊である。
「サフィ、助けろって言ったって、サフィと契約していて、更にこんな高位の精霊と契約したら、僕のほうが耐えられないんじゃないかい?」
『はぁ、ご主人様はあれから更に精力が増しています。この子と契約しても充分余るほどです。だから問題ありません。』
仕方ないな、まあサフィが大丈夫だというのならきっと大丈夫だろう。
僕は、その横たわっている精霊の側まで行くとそっと手を添えて、精力を送り込むイメージをした。まばゆい光がやがて収まり、契約が終わった。さっきまでの青と僅かな金の他に緑まで色が出てる。三色の属性を持つ精霊になったようだ。
精霊がゆっくり起き上がると、周りをキョロキョロし始めた。
『さすが、ご主人様ですね。さすがの私も実は大丈夫かなっと少しヒヤヒヤしていたんですが、ってごめんなさい、ごめんなさい。最初から信じてました、ご主人様なら出来るって。だから、それだけはやめてください。あっ、やだ、あん!そ、そこ、きちゃうぅぅ。』
なにか、失礼なことをのたまった悪い精霊には、グリグリ攻撃、その他のお仕置きをしておいた。足元で悶絶するそれを無視して、僕は三色の精霊に向き直った。
「僕は、チカラ・スズキ。君は何ていうの?」
精霊は目をパチクリとさせて首をかしげてから、ちっちゃい声で話し始めた。
『わたし、クリス。クリスフィーナ。水と光を司る中位精霊。あなたは私のごしゅじんさま?』
「あ~え~う~。まあ、勝手に契約しちゃったけど、一応そうなるのかな?嫌だったら契約破棄するけど・・・。」
クリスはう~んと悩んだがすぐ向き直って、べつにいい、と答えた。
それから、3人で並んで家に帰った。




