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異世界制圧奮闘記  作者: 大九
第2章 入試編
30/58

第8話 不意打ちは卑怯です。

手当が終わって、帰ろうとしたところにトルチェがちょっと待ってと言って駆けてきた。

「そろそろ話の本題に入るけど、いい?」

話の本題も何もない。僕は早く帰らないとサラたちに怒られてしまう。しかし、トルチェがこのまま離してくれそうにもないな。仕方がない。手短にして逃げるか。

「ダーリンは二高を受けるのよね?」

「そうだけど?」

なんか圧倒的に嫌な予感しかしない。てか、呼び方がダーリンで確定していないか?

「なんで、あんな奴にやられたい放題にしたの?ダーリンの実力があれば、あんな奴瞬殺にできたでしょ?」

「僕を買いかぶり過ぎだよ。あの場でも言ったけど、僕はあれが限界だったんだから。」

「そう?リース、ショット!!」

いきなり、トルチェの方に乗っていた水精霊が水魔法で攻撃してきた。僕はとっさに後ろに飛び退いた。

「何するんだよ、トルチェ!僕を殺す気かい?」

トルチェは憮然とした顔で逆に突っかかってきた。

「ええ、そうよ。殺す気で今、魔法を撃たせたわ。今の魔法、ショットは“水の弾丸”を改良した私のオリジナル魔法。弾丸よりも威力を下げた結果、少ない魔力で撃てるし、スピードは弾丸以上。今までにこれを躱すことができたのは、私の叔父の一人だけ。それをこの至近距離で躱すなんて規格外も甚だしいわ。

もう一度聞きます。なんで、あの時、わざとやられたの?」

なかなかの策士でもあるようだ。くっそう!ごまかせないではないか!!

「そ、そんなのたまたまじゃないか・・・。って、おわ!!また攻撃しないでよ。危ないなあ。」

こっちがしゃべっているのに、また攻撃してくるなんてなんてお行儀の悪い精霊なんだ。

「ショットを2発続けて、それも不意打ちを躱すなんて、もうごまかせないわね。早くゲロっちゃいなさい。」

なんか、お言葉が悪くなってる。ふう、仕方がないな。

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


僕は、考えてることをひと通り話した。二高を受験しようとしたのは、魔法をきっちり学びたいってこと。わざと、やられたのは、学校生活を平穏に過ごしたいなら、ああいうやつに勝ってはいけないってこと。などなど。

トルチェは、なるほどねっと頷いてくれた。

「トルチェもなんで、あの坊ちゃんに言い寄られていたんだ?正直、精霊の力は強かったけど、トルチェより強いと思えなかったんだけど。」

「えっ、私もおんなじよ。そ、そう、目立ちたくはなかったのよ。」

「結果的にめちゃめちゃ目立ってたけどね。」

「あう~~~」

トルチェは、真っ赤になりながらうなった。

「で、でもダーリンが助けてくれたからいいの。」

まあ、納得したんならいいや。

「トルチェも二高志望だったよね。そんなに強いなら、なんで一高とか三高に行かなかったの?」

トルチェは膨れながら答えた。

「だって、あんなのがゴロゴロいることろよ。一高とか三高って。結局、魔力とかって遺伝に由来するところが大きいから、昔戦争で活躍した大貴族の子どもが魔力的に合格しちゃうのよね。あんな奴らと一緒なんて絶対に嫌!!」

なるほど、トルチェもいろいろあるんだな。


「まあ、じゃ、そういうことで僕は帰るね。」

話の区切りもついたし、僕は帰ろうとしたらトルチェは慌てて僕にくっついてきた。

「待ってよ。まだ、一番大事な話しをしていないんだから。」

え?一番大事な話ってなんだ?

異世界強化週間中

リースは、トルチェの精霊の名前です。

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