第17話 4人のこれから
翌朝、久しぶりに建物の中で目を覚ますことができて、僕は気分良く起き上がった。しかし、隣の部屋からはまだ微かに寝息が聞こえる。まあ、昨日遅くまで色々考えていたんだろう。チェックアウトまでまだしばらく時間があるので寝かせておくか。やがて、中からバタバタとした音が聞こえてきて身支度をしているようだ。最も、身支度といえるほどのものはないけどね。ミルテアーテが中に入っていいと言ってきたので入ることにした。
「それで、結論は出たかい?」
僕がそう尋ねると、なぜか満面の笑みのミルテアーテと、顔を真っ赤にしているサラディナーサ、まだ眠そうなキャニエルがこっちを見た。
そして、ミルテアーテが切り出した。
「やはり、まず私たちを奴隷から解放していただきたく思います。」
やっぱり、プラン2か。せっかく出会った美女、美少女、美幼女だけど仕方ないな。
「わかったよ。それで、君たちはこれからどう生活していくんだい?」
その質問に、なぜかサラディナーサは更に顔を赤くし、ミルテアーテは待ってましたとばかりにハキハキしてきた。
「はい、私たちはチカラ様に私たちの仇をとってもらいたいのです。」
はい?どゆこと?
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
ミルテアーテの説明をまとめるとこうだった。
自分たちは、やはり国を滅ぼしたこのカルキレ帝国を許すことは出来ない。
しかし、今自分らには帝国に対抗するだけの力がない。
僕には、金銭的にも実力的にもその力を持っているように感じる。
更に、サラディナーサが僕に惚れたらしい(え?)。
だから、僕とサラディナーサが結婚することにより、僕をドルカニア王族に迎え入れ、王国を再興してほしい。
ついでに、キャニエルも僕の側妃として迎えてほしい?
ええっと、なんかプラン3を更に大っきくした話だな。でも、この3人にそこまで求められているのも悪い気がしない。
「サラディナーサもそれでいいんだね?」
「あ、ああ。」
まだ、真っ赤な顔をしているが、納得はしているようだ。よし!
「分かった。キャニエルの件は、彼女がもう少し大きくなってから改めて考えよう。すぐにこの帝国を滅せるとは思わないし、少なくとも何十年もかかると思うけど、一緒に頑張っていこう!!」
話もまとまってめでたいな。そこへ、サフィがスイ~と飛んできて僕の肩に止まった。そういえば、辺りの偵察をお願いしていたんだ。
『私もよろしくお願いします。』
3人に向かって、サフィもやる気満々だ。
『それはそうと、ご主人様。外が大変なことになっていますよ。』
サフィが呆れたように言った。
僕達が窓から下を見ると、昨日の変態が百人くらいの兵を引き連れて、ホテルの前に陣取っていた。
次話で、第一章が終わります。
 




