第一部終了時点設定総括
【メインキャラクター】
前衛特化型剣士:ウィリアム
この物語の一応主人公。戦闘能力がシャバいが、少しずつ成長中。
思慮を巡らせた上で思いついた策を投げ捨てる。猪突猛進ながら仲間思いの十五歳の少年。
王家出身だが、物心ついた頃から絶賛家出中。
一六五センチと、男の戦士としては些か頼りない体格だが平均的といえば平均的。
灰色の髪はこの世界に多くなく、目立つ。ちなみに魔法の才能はからっきし。
技能:〈生存術〉(虫を食ってでも長らえる生き汚さ)、〈危険感知〉(予知じみた第六感によって危険を察知する)
中衛万能型盗賊:エリオ
森に生きたとある部族の生き残り──にはとても見えない、軽々しい十七歳の青年。金髪碧眼が鮮やか。
種族的には純度百パーセントの人間。短刀と弓の扱いを得意とする、典型的な盗賊。
手先が器用で、口が回り、そして容姿端麗と、その言動さえ取り払えば驚きのパーフェクト超人。
かなり無目的に、かつ無軌道に生きている節がある。一七四センチの長身。笑い方が、うさんくさい。
技能:〈盗賊〉(スリ、ピッキング、その他盗賊必須技能)、〈身軽〉(運動に有利)、〈美貌〉(相手への印象値上昇)
後衛回復型魔術師:クロエ
世界的な魔術師の一人娘、もとい孫娘。この世界には珍しい黒髪をおさげに。蒼い瞳は珍しくない。伏し目がち。
一四一センチ、十四、五にも満たない少女に見える容貌だが、十九歳。嫁いでいたとしてもおかしくはない。
精霊魔術の使い手だが、それ以上に薬師という側面が色濃い。
魔術属性は大別すれば〈火〉だが、細分化すれば得意とする魔術は〈熱〉。
口下手だが、年上らしく博識、かつ冷静。ただし自己を省みない事例が多々。
自身より他者を優先する、世の荒波に巻き込まれていないからこその人格であると言える。
技能:〈分析〉(観察能力に長ける)、〈博識:植物〉(植物に関する正確な知識)、〈調合〉(薬草から薬を煎じる)
魔術:〈熱探知〉、〈灯火〉、〈身体能力向上〉、〈属性付与〉
【サブキャラクター】
イル:冒険者組合の仕事を斡旋する役割も請け負う酒場“旅の帳亭”の女主人。恰幅がよろしい。
バリー:総合商店を営む、商人ギルド所属のおじさん。基本的に損得勘定で動く。本名はバリー・バルザック。
アルマ:バリーの私兵団の長。自警団的な役割もつとめる。ちょー強い剣士。
リプル:ハーフリングの射手。アルマの相棒的存在。
ネロ:“奴隷の国”という特殊環境下で育った高級奴隷。上等な使用人のようなもの。クソ強い拳士。
ホーク:“鷹の爪”という名のクランの長。現在は一時解体され、武具等を取り扱う同職ギルドの傘下にある。
クレハ:クロエの祖母。“魔道十哲”という狂人番付に名を並べられる世界的魔術師。御年七十一歳。
レイヴン:“剣魔七星”という組織に名を連ねる、冒険者にして傭兵。一個大隊を相手取れるのではないかというほど強い。
アウル:世界に何人いるとも知れない“森の王”のひとり。外見は人間の少女に近いが、全く人と異なる生態を持つ。
レイチェル:帝国の女将軍。帝国第三部隊“帝王親衛隊”大隊長。妙齢の美女。洒落にならないくらい強い魔法剣士。本名はレイチェル・シュナイデ。
ルーファン:かわいそうな人。
【設定用語】
〈商人ギルド〉
商人によって結成された組合。世界規模で広がる商人同士の繋がり。
後述の同職ギルドが地域単位での繋がりであることを考えれば、対照的。
目的はそのものずばり“利潤追求”。金が神。
〈同職ギルド〉
各々の職業別に結成された組合。目的は“利益”と“技術”の追求、共有。
パン焼き、縫製、鍛治などが代表的な同職ギルドに相当する。
商人ギルドと対立しているように見えるが、共存も不可能というわけではない。
〈冒険者ギルド〉
同職ギルドの中でも特に、冒険者──即ち職無しの破落戸──への依頼を処理する組合。
ここでの処理とは即ち、例えば酒場など、人の集う場所へ仕事を配給することを示す。
地域ごとに異なる形態で運営される組織。存在するとも限らないが、人の多い都市部にはしばしば見受けられる。
その仕組みは大まかに言えば──民衆の不満の声が権力者に届き、その権力者が問題の解決を委任するという形式で成り立つ。
問題は片付きさえすればそれで良く、誰が解決したかは問題ではない。問題解決の申し出があり、そして実際に解消が確認されれば支払いは行われる。
働き手は基本的に区別されないが、顔馴染みの信頼ある者にしか話されない依頼、というものは往々にして存在する。
〈魔道十哲〉
十の魔術師の名が並ぶ狂人番付。
厳密には組織ではない。良くも悪くも有名な人たち。
一つの基準は『人の身で至れる筈のない領域、即ち“魔道”に至った者』。
アウトサイダーとも読まれる。
〈剣魔七星〉
読みは“セプテントリオン”。七つの国の冒険者、その頂点の七人によって構成される少数実行部隊。
いわば一つの同盟と、その象徴的役割を担っているとも言える。その証左として、常に厳戒態勢というわけではない。
〈帝国〉
大陸の中心的国家。他を圧倒する軍事力を有し、他国が束になっても到底敵わないほど。
積極的な侵略行為は行っていないが、周辺国家にとっては存在そのものが脅威以外の何物でもない。
歴史は浅くとも紆余曲折を経て成立した国であり、その成り立ちは後々に明らかとする。
追記予定。