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プロローグ

2025年、真夏の夢洲(ゆめしま)

大阪・関西万博の熱気に照らされながら、私は自分の心が小さく軋む音を聞いた。


……空野春樹(そらのはるき)

職場で誰よりも優秀で、誰よりも頼れる…孤独な人。


私は彼と同じ職場で働き、仕事では“よき同僚”のふりをしている。

けれど本当は、ずっと前から気づいていた。

彼に恋している自分に…。


そんなある日、彼は取引先の若い女性……新垣未来(あらがきみらい)の“お礼の食事”の誘いに応じた。


どうして?


それは嫉妬だった。

でもその感情より先に胸を刺したのは、春樹が見せたほんの小さな微笑みだった。


その頃の私は知らなかった。

彼女が郵便局で「20年後の未来の自分からの手紙」を受け取ったことも。


そしてその手紙が、私たち三人の運命を大きく変えていくことも。


万博の風は、生ぬるくて、どこか切なくて、少し塩味がした。

まるで、オランダ館で春樹と未来が買って食べたという“ハーリング”みたいに。

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