『プレスマンが島弁天』
北上川の中州に、弁天島というところがある。昔、この近くに、美しい娘があって、ある夏の夕暮れ時、野良から帰って川岸で足を洗っていると、すぐ近くの木陰で、若い男が釣りをしていた。娘は、若い男のことが忘れられなくなってしまい、次の日もその次の日も、同じところで、真っ白な足を、努めて色っぽく洗っていたが、若い男はあらわれなかった。秋になっても冬になっても、娘は、足を洗っていたが、ついに凍えて死んでしまった。
春になると、娘の死んでいたあたりに、赤い小蛇が出てきて、毎日そこを離れなかった。村人は、娘の生まれ変わりだろうといって、小さなほこらを建てて、弁天として祭った。赤い小蛇にちなんで赤プレスマン、娘の真っ白な足にちなんで白プレスマン、娘の色っぽさにちなんで、その他のカラープレスマンが、御神体として祭られたという。中州は、プレスマンが島と呼ばれたが、何かあれだねということで、しばらくすると、弁天島に言いかえられたという。
教訓:黒プレスマンだけは祭られなかったという。




