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第1q 奏と希

僕の意識の遠くから喧しい音が聞こえる。

喧しい音のせいで僕の意識は、どんどん薄くなっていく。

分かったぞ、目覚ましの音だな。

僕は、眠い体を起こして下に行く。

昔は全然起きなかったけど、今日は別だ。何故なら、今日は入学式だから。

僕は、部屋を出て1階に行く。

僕のお父さんと、お母さんが朝ごはんを食べていた。


「兄ちゃん、おはよー!」


……忘れてた。

こいつは僕の弟、音也。おとやっていうんだ。

あ、僕の名前を言うの忘れてた。僕は、奏。かなでって言う名前。

僕の名前の由来は、お父さんもお母さんも音楽が大好きで、音楽にちなんだ名前がよかったみたい。

だから、僕の名前は演奏の奏をとってかなでっていう名前にしたんだって。弟の音也も同じ理由。

僕はトーストを食べていく。お母さんが話しかけてきた。


「奏、今日入学式でしょ?」

「うん」

「制服は、そこにおいてあるからそれ着ていきなさいよ」


僕は眠くてあまりお母さんの話を聞いていなかった。

でも、制服がそこにあるのはわかった。

僕は急いで朝食を食べ、制服を持って2階に行く。

自室に入ると早速着替え始める。

うわ、着にくいなぁ……。


「こんな感じかな」


僕は鏡を見ながら後ろを見たり、前を見たりする。

問題はなさそうだ。

すると、朝必ず聞く女の子の声がした。


「奏ー! 起きてるー?」


僕は窓を開ける。

すると、いつもの子がいた。


「何? 起きてるよ」

「制服着てみた?」

「うん、なんか着にくい……」

「見せてよー!」


そういわれて、僕は回転する。

ちなみに、さっきの女の子は希。のぞみっていうんだ。

本名は櫻井さくらい希。さくらは桜じゃなくて櫻なんだ。

昔からいつも一緒だったから、恋人って思われた事もあるけど本当は幼なじみ。

全く勘違いしないでよって思う。


「私のどう?」


希も回転して僕に見せてきた。

容姿も関係してくるのか、なかなか良く見えた。


「いいんじゃない?」

「本当!? じゃあ、また学校でね!」


希は窓を閉めた。

僕もいそがなくちゃっ。


中学校に向かう途中は僕と同じ制服を着ている子達が沢山いた。

皆同じ新入生なのかな。


「奏ったら、なんでそんな顔するの?」


希は僕の顔を下から覗き込む。


「え?」

「なんでそんな心配な顔するの?」

「なんか、緊張というか……」

「ふふっ! 奏らしい!」


軽く笑って、僕をからかう。

小学校のころから行きも帰りもずっと一緒だった。

昔、希は虐められた時期もあったのでそれ以来ずっと一緒に帰っている。

中学校に着くと、クラスの名簿が張り出されていた。

僕はB組で希はC組。

僕は、下駄箱に靴を入れて校舎の中に入っていった。



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