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お題シリーズ5

赤、赤、赤

作者: リィズ・ブランディシュカ




 その家は、一目で異様だった。


 赤く塗られているからだ。


 台所も、居間も、トイレも、玄関も、廊下も。





「安いけれど異様な内装です。それでもいいですか?」


 お金がなかったある男は、住む家を格安で探していた。


 多少のおかしさは、のみこむつもりだったが、あまりの惨状に案内されたときに声を失った。


「なんでこの家はこんなに赤いんですか?」

「それはわかりません。前の住人が精神に異常をきたしていたらしいですが、おそらくその関係でとしか」


 案内役の男は理由を詳しくは言わなかった。


 見るといった手前、すぐに出ることはできず、男はそれからも家を見回っていく。


 壁も、床も、天井も、やはりいたるところが赤かった。


 分厚い塗料のそれは、ペンキで塗られているようだった。


 そしてすべて見終わった後、玄関で振り返った。


 どうしてそうしたのか分からなかったが、男は振り返った。


 すると、


「うわああああ!」


 そこには血まみれの男と女、小さな子供、ペット、がいた。






「あの家で犯罪でもあったんですか。さっ、殺人事件でも!?」

「いいえ、そんな話はありませんよ」

「そっ、そうですか」


 男と案内役の男は次の家へとむかっていく。


 まだ、ほかに見なければいけない家があったので、男は時間を使わないようにとそれ以上追及しなかった。


「まあ、前の前の住人にはそんな事件がありましたが」

「えっ、なにか言いましたか?」

「いいえ、なにも」



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