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秋の桜子詩集

今年の春も寂しくて

作者: 秋の桜子

おせったい、おせったい

今日は兎月の にじゅういちにち

弘法大師さんの忌日


集落に あちこち奉るお堂があって

今年のお当番さんが

花を供えて お供えお菓子を沢山用意


堂に集まる皆で 子らが来るのを 

五色の吹き流しを 目印に建てて


お茶を頂きながら 待ってる日


さい銭チャリン 手を合わせて

なむだい しへんじょう こんごう


その日は 小学校は 早仕舞い

子らがリュックを背負って こんにちは



おせったい おせったい

今日は兎月の にじゅういちにち

弘法大師さんの忌日


西の田舎 の 楽しい風習 

小皿の上には お菓子が沢山


チューペット 一口ゼリー

飴玉 かめせん うまいの棒


小袋の 河童のえびせん

チョコのバット おまんじゅう


一皿に 三色 よそい どれがいい?

好きな お菓子の 盛り合わせ


頂く 大人も子ども楽しむ 兎月の日


おせったい、おせったい

今日は兎月の にじゅういちにち

弘法大師さんの忌日


山桜 満開 ハラハラと

山吹 満開 黄色にしなだれ

山彩る 春爛漫


あの子が来たか まだ来ない

大きくなったね 去年の赤ちゃん

よちよち 歩いて 

お母さんと なむなむなむ


ぽっちりした手を あわせて

なむなむ なむなむ まんまんちゃん


三年前から 子らは来れなくなって

兎月 跳ねるような はずんだ声も


すっかりと 聞こえなくなって

楽しい行事を 知らぬ子が


ポツリポツリと 増えていく


今年の春も寂しくて 子らの姿はとんと無い

心経上げに 大人がポツリポツリと詣るだけ


おせったい、おせったい

今日は兎月の にじゅういちにち

弘法大師さんの忌日


山の桜が はらひらと

物言わず 散って逝く

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― 新着の感想 ―
[良い点] 来る人来ない人……毎年移り変わる顔ぶれに嬉しさと寂しさがありますね。
[良い点] そのイベント覚えてます! 色んな家をまわって! 10円置いてお菓子を一皿もらって! めっちゃ楽しかった覚えがあります!
[良い点] 本当に、こうした地域の楽しい行事がなくなりましたよね。うちの近所の神社では、子どもが七五三をむかえた家の人が、神社の上から集まった人達に向かって、お菓子やカップラーメン、おもちなど、段ボー…
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