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回転寿司ワサビテロ

2023年は回転寿司などでの迷惑動画が炎上している。その発端が他人の寿司に勝手にワサビを載せるワサビテロであったことは、食べ物を粗末にすることへの批判に加えて、辛いものへの嫌悪感の広がりがある。


2023年の迷惑動画が大きな反響を集めた背景として、単純に汚くて不衛生な従来の迷惑行為に加えて、辛いものを意図せずに食べさせられるワサビテロの恐怖がある。辛いものを食べさせられることは暴力的な嫌がらせになる。


20世紀までの寿司はワサビが当然であったが、21世紀はワサビ離れが進んでおり、ワサビ抜きが普及している。ワサビは元々、殺菌効果を期待してのものであるが、今は冷凍保存や衛生管理の技術が進歩している。素材そのものを味わいたい人には辛さの刺激は余計になる。ワサビが受け入れられない人もいる。


松本渚『将棋めし 1』(KADOKAWA、2017年)にはワサビ抜きで寿司を食べる棋士が登場する。辛いものを食べて脳に刺激を与えないためである。ナイーブな人ならば脳に刺激を与えることは脳を活性化させて良いことと考えるかもしれないが、辛いもので無理矢理刺激することは不健全である。頭を使う棋士にとって避けることになる。


辛い食べ物は消化器系や循環器系に悪影響を及ぼすことがある。口内や胃腸に刺激を与えることで、慢性的な健康問題を引き起こす。辛いものを食べると涙が出たり、咳き込んだり、鼻水が出たり、唇や舌が痛くなったりする。辛いものはアレルギーを引き起こすことがある。


辛い食べ物を他人に意図せずに食べさせることは、相手の味覚の好みを尊重しない行為となる。辛い食べ物を強要することは、社交的な場でのマナー違反となる。相手が苦手な食べ物を無理に食べさせることは、相手に不快感を与える。


辛い食べ物は、特定の地域や文化に根付いた食べ物であるため、他の文化や国の人々にとっては、不慣れである場合がある。実写映画『テルマエ・ロマエII』でルシウスは寿司を食べてワサビに苦しんだ。


回転寿司の迷惑動画では醤油ペロペロやアルコールスプレー噴射の動画が炎上した。ワサビテロ以上に不衛生で不健康と評価することができるものである。とはいえワサビテロが相対的にましなのではなく、勝手に辛いものを食べさせられることへの怒りがあったから回転寿司の迷惑動画が注目されたのだろう。


ワサビテロは恐怖を与えるものであり、テロの原義に忠実な言葉の使い方である。ところが、日本語には飯テロというテロの原義から逸脱した使われ方がある。SNSでは「回転寿司を救いたい」との立場からワサビを沢山つけた寿司を食べる画像が載せられている。これはワサビテロが何故批判されているかを考えれば逆効果になる。食欲を刺激されず、飯テロにもならない。



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