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辛さは嫌がらせ

辛いだけの料理は辛いというよりも痛い。人の味覚は五種類ある。甘味・塩辛味・苦味・酸味・旨味である。これらは五味と呼ばれる。辛さは味覚ではなく痛覚である(船山信次『毒 青酸カリからギンナンまで』(PHPサイエンス・ワールド新書、2012年、123頁)。辛い味で喜ぶことは痛くて喜ぶようなものである。グルメ漫画にも「暴力的な辛さ」という表現がある(小川悦司『中華一番!極 1』講談社、2020年)。


味が分からないほど辛くすることは愚かである。私は辛党ではなく、辛いだけの料理は好まない。チキンなどの期間限定メニューでは辛い味付けとするものが多いが、安直さである。平方昌宏『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』暇つぶし41「孤独のデビィ」には「安直じゃよなあ。激辛と書いておけば一定の層は必ず頼むものじゃ」との台詞がある。


辛いものを食べると舌が麻痺して感覚が鈍くなる。辛さで舌を麻痺させて、刺激的な感覚をさせた気にするという弊害がある。辛さを売りにするメニューがあるが、味で勝負していないことになる。素材を味わいたい向きには辛さは余計である。辛いメニューと辛くないメニューでは辛くないメニューを選択したい。辛いものは咳き込んでしまうため、コロナ禍の中では特に要注意である。


激辛で刺激が強い食品を食べ続けると、食道や胃腸を悪くする。漫画やアニメには辛い物を食べて唇が腫れ上がるという描写がある。それは誇張ではない。口周りと舌がヒリヒリする。食べ過ぎると、お腹がユルユルになる。体が受け付けないのだろう。


激辛を楽しむことはグルメとして邪道である。辛いものばかり食べていると、辛いものしか食べなくなる。辛くないものは味がしないと思い込んでしまう。辛さには中毒性という弊害がある。辛さの虜になってはならない。辛さは毒である。


辛い食べ物による舌の痛みを和らげるために脳内麻薬とも呼ばれる「エンドルフィン」が分泌される。脳内麻薬の中毒になると辛い料理が病み付きになる。より強い刺激を求めて辛さを求めてしまうが、体はダメージを受けている。何度も繰り返して摂取すれば、体に悪い影響を与える。


体を壊してまで辛いものを食べてしまうことは滑稽である。長野市の高校の文化祭では、激辛調味料を入れたジュースを飲んだ生徒9人が体調不良を訴え5人が入院した事件が起きた(「長野の高校文化祭で「激辛ジュース」生徒5人が入院」SBC信越放送2019年7月5日)。


辛さを強要することは嫌がらせになる。宅配ピザ屋に配達されたピザのサイズが間違えていると電話したら、大量の激辛ハラピニオ(緑色の唐辛子)を載せたピザが再配達されたと問題になった。食べ物を粗末にする行為である。


回転寿司で他人の注文した寿司にワサビを載せることが犯罪とされた。今や辛いものは嫌われものになっている。辛いものを食べさせることには悪意がある。辛いものは大きな苦痛である。


四葉夕卜原作、小川亮漫画『パリピ孔明 12』(講談社、2023年)は激辛の食べ物を食べさせることが苦肉の計(自分の身や仲間を苦しめてまで行う計略)となる。オーナーは体質的に辛い食べ物が苦手そうであるが、結構食べてしまい、苦しんでいる。激辛の食べ物は味覚を破壊する。



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