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高級食パンブームはオワコン

高級食パンブームはオワコンである。高級品の人気は一過性のブームである。すぐに飽きてしまう。ブームに持続性はない。今年人気でも来年以降はどうなるかわからない。その頃には新しいタイプの商品が流行るだろう。リーズナブルな商品の方が飽きずに何度でもリピートしたくなる。


高級食パンはコストパフォーマンスが悪過ぎる。値段と価値や味は比例しない。高級食パンは美味しさが劣るような気がしてならない。パン自体の質が違うということなのだろうか。


高級食パンは高い買い物である。高額なパンを毎日食べたいとは思わない。多くの人はそこまで高価なものを求めようとしない。賢い消費者には「高ければ良い」という考えはない。このことに気付いた人は多いだろう。


高級食パンを買うくらいなら、普通の食パンを買いたい。安いし美味しいから。わざわざ高いものを買ってまで食べたいと思わない。安くて美味しくて栄養バランスの良いものを安価に買いたいと思うことが人情である。


大切なことは高価なものを買うことではなく、価値あるものを買うことである。業者が打ち出す高級は自分にとっての価値ではない。本当に価値のあるものとは何か? それは簡単だ。自分が心から欲しいと思えるものである。値段やブランドではない。本当に自分の求めているものが分かっているなら、それを手に入れようと思うだろう。自分が心から欲するものを手に入れることができたら幸せになれる。


高級食パンは消費者のニーズに応えたものではない。消費者にブームを押し付けるような事業者本位の姿勢が見え隠れする。消費者ニーズに応えたものではなかったから消費されなくなる。消費者のニーズに応えていないから、すぐに飽きられてしまう。消費者ニーズに応えていないから、消費者に見放される。


以下はマーケティングアナリストの渡辺広明氏の指摘である。「結局のところ、高級食パンは価格と価値が一致していなかったという点に尽きるのではないでしょうか」(デイリー新潮編集部「ふわふわで甘い「高級食パン」ブームに翳り 半年と持たず閉店する店舗も」デイリー新潮2022年1月24日)


高級食パンには保存がきかないというデメリットがある。「本当に高価格に相応する価値があるか? という点でも疑問が生まれます。「ストレート法」という短時間発酵で作られることが多い高級食パンは、その日に食べる“生食感”を魅力にしていますが、翌日以降、味が落ちやすく、普段スーパーやコンビニ等で気軽に購入できる「中種法(発酵時間が長く、時間が経っても劣化しにくい)」よりも簡易な手法と解釈できなくはありません」(スギアカツキ「“高級食パン専門店“がじわじわ閉店…。失敗する3つの理由と、愛されるパンの条件」女子SPA! 2022年1月29日)


業者は「そんなことないですよ。今でも十分に売れています」と言うが、それは単なる思い込みに過ぎない。現実に高級食パン店は次々と閉店している(「地方でも飽和状態“高級食パン店”の相次ぐ閉店がSNS上で話題に。「次に危ない」と取沙汰されるアノ業態とは?」MONEY VOICE 2022年1月11日)。高級食パンブームの終焉は市場にとっても歓迎できる。


これからはよりリーズナブルな食べ物が求められるようになるだろう。もし、それでも納得できない人がいれば、もう一度だけ考えてみて欲しい。あなたは何を求めているのか? 何を手に入れたいと思っているのか? あなたの心の声に従って欲しい。きっと答えが出るだろう。


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