表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/96

漫画とコントの値段と味は比例しない

久部緑郎作、河合単画『ラーメン発見伝 2 塩の秘密』(小学館、2000年)「大衆料理の味」は値段と味が比例しないことを指摘する。低価格で提供するから、不味くても仕方ないとする発想は思い上がりである。

フランス料理が全て高級ぶっているとの発想も誤りである。フランスにも低所得者向けの食堂がある。そこでは安くて美味しい料理を工夫して出している。日本人のフランス料理人もフランス修行中には助けられた。

シェフの修行時代を描いたノンフィクションでは少ない給料で高級レストランに行って舌を肥やしたという描写がされることがある。しかし、実際は本作品のシェフのように大衆食堂の日常グルメで舌を肥やす方が多いだろう。

現実に日本ではビストロはお洒落なレストランのイメージがあるが、フランス語ではで「家庭的なお食事処」である。「ビストロ」は高級レストランではない。


藤栄道彦『最後のレストラン 3』は値段と味が比例しないというグルメの神髄を示す指摘がある。「エリザベート様」では七千円以上もの値段が高いだけの意味不明な料理がまかり通ることは理不尽であると指摘される。

「安徳天皇」では「人のために同じ命を投げ出しているのに、その値打ちに差がつくのはかわいそうですわ」との台詞がある。高い値段の肉を有り難がることは虚しい。


Rootport原作、吉田優希漫画『ドランク・インベーダー 1』(講談社、2023年)は中世レベルの酒造技術しかない異世界に現代の酒を紹介する漫画。日本政府は異世界の王侯貴族をアル中にして異世界を侵略しようとする。依存性薬物の阿片を販売して清国を弱体化させて侵略したイギリス帝国主義と同じである。異世界を武力侵略しない理由は異世界の魔法の力が不明で、返り討ちに遭う危険があるためである。悪辣かつ卑怯である。

主人公は日本政府に命令されながらも内心反発し、美味しいお酒を知ってもらおうとする。政府の公務員は手っ取り早くアル中にするために度数の高い高級酒を贈る。これに対して主人公は「高級酒を選べばいいってものじゃない」「美しさは値段じゃ計れない」と述べる。


『クレヨンしんちゃん』「むさえちゃんにおごられるゾ」(2020年12月12日)の野原みさえは高級レストランよりもリーズナブルな店を好む。みさえは奢られる立場であるが、それでも高級レストランを嫌がる。御馳走されるとしても、無駄な出費は嫌である。これが健全な消費者感覚である。


ロバートのコント「プロフェッショナル」ではシェフが「高級食材で美味しいものは誰でも作れる」と指摘する。

「バカヂカラ」のコント「親父の威厳」では「高けりゃ美味いってもんじゃない。美味いもんは美味い。値段じゃない」との台詞がある。グルメぶって高級メニューを褒める人を凹ませる笑いになる。

高級な材料を使えばいいというものではない。高級料理を出す店が必ずしも美味しいわけでもない。料理の値段は味で決まらないことが多い。そのことを理解しよう。「今日も美味しいものを食べた」と思えることが幸せなのだ。今夜もまた、どこかのお店で美味しそうな匂いが立ちこめているだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ