魔法
、、、というのは無理らしい。
私は侯爵家の長女。
勉学だけでなく、「祝福の儀」を終えたことによって魔法の練習も日課に加わった。
「アリアーっ!」
「レオお兄様!」
「魔法の練習?僕も手伝うよ。」
「良いんですか?」
「勿論。可愛いアリアのためだからね。僕の魔法の練習にもなるし。」
そう言って手から火を出す。
レイ家は元々魔法も勉学も優れている血筋。
だから、私より3歳年上で8歳のお兄様の火力はやはり強い。
「アリア。この火を消してごらん。」
「分かりました、お兄様。」
掌に魔力を詰めるイメージを持ちながら、火に向ける。
、、、しかしまだ魔法の練習を始めて一ヶ月ほど。
コップ一杯分くらいしかまだ出ない。
「前より沢山出てるじゃないか!流石アリアだ!」
「でも、まだレオお兄様の火を消せません、、」
「焦らなくて良いよ、アリア。また明日も僕とやろう?」
「はい!」
「レオシア様、アリアーテ様!お食事の準備が整いました。」
「じゃあ行こうか、可愛いアリア。」
、、、お兄様は所謂、「シスコン」なのです。
「アリアちゃん、この国の第一皇子様がいらっしゃったのだけれど、、アリアちゃんもお会いになった方が良いかも、、」
「第一皇子様?何故ここにいらっしゃったんですか?」
「アリアちゃんと殿下は歳が近いの。レオと一緒で今は8歳なのよ。未来の妃候補や未来の側近候補になる男児や女児のいる家格の高い家には殿下自ら訪問する慣例行事みたいなものがあってね。レオが5歳のときもいらっしゃったわ。殿下をお待たせしているから、早く行きましょうね。」
「分かりました、お母様。」
あー、、、なんか、あるある、、なのかな?
絶対イケメンじゃん!
こういう、異世界の皇子様とか、よく出てくる人物とかって大体イケメンだものね。
レオお兄様もイケメンだし、お母様もお父様も美形。
まぁつまり私も、その血は受け継いでいるわけで、、顔は前世と比べたら100倍くらい整ってると思う。
薄いブロンドカラーの髪の毛に、薄い水色の目。
まだ5歳なのに将来美人になることを約束されているような容姿。
、、、前世この容姿だったらなって何度思ったことか。
「失礼します。」
扉を開けると、大きなソファの真ん中に、一人ぽつんと座っている超絶美形の男の子が。
はい、あたりー。
「初めまして、アリアーテ・レイでございます。」