ランプの魔神ジェイク
使用お題『砂』
「ドーモ。ハジメマシテ、ご主人サマ。俺はランプの精で、ジェイクって言いマス」
辺り一面の砂漠。そんな砂の中に埋もれていたランプを拾ったのは、キャラバンに連れられた異国の民だった。
「おお。これはこれは。なんとも面妖な少年じゃのう」
・・・
白髪交じりの黒い髪に黒い目をした黄色い肌の男は、快活にそう笑う。
今まで、このランプから自分を呼び出した人間は数え切れないほどいた。大抵の人間には驚かれていたが、中には物珍しがる人間もいたし、同年代の子供には懐かれたりもした。だから、どんな反応が返ってきても大して驚きはしない。そうは思っていたが、この反応には面食らった。
「そりゃどうも。で、ジーサン。ここで会ったのも何かの縁、ってことで願いを一つ叶えてやるよ」
そう言うと、肝心の老人は何か悩むように考え込む。今まで自分をランプの中から呼び出した人間は、よほど切羽詰まっている人間以外は胡散臭そうにこちらを見てきたのでなかなか肝の据わった老人だ。
「そうじゃのう」
動揺する様子もなく、ヤツは呟く。
「実は、海を渡った遠い国に孫がいるんじゃが、儂が亡き後、その孫を儂の代わりに守って欲しいんじゃ。それでいいかの?」
・・・
老人の口から出た言葉の意味が飲み込めず、ジェイクは目を瞬かせる。というのも、このランプは瞬間移動などできないからだ。
「おいおい、ジーサン。このランプは自分で動くことなんてできないんだけど?」
意味が分からない、とこちらの意を証明するかのように呆れた目を向けると、老人はにっこりと微笑む。
「そうじゃ。だから、儂の願いを叶えるためには儂を無事に日本へ返さなければいけないのぉ。儂は単なる骨董商のハズなんじゃが、どういうわけかこのキャラバンに盗みの容疑をかけられてのぉ。困っておったんじゃ」
そう言って、老人は愉快そうに笑う。その笑みが悪徳商人のそれに見えたと思ったとき、ジェイクは囚われのこの身を少しだけ恨めしく思った。
To be continued・・・




