表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹色の扉 番外編  作者: ひめみや
4/23

My Dearest One ~小さな姫君~

「さあ、オスカル。こちらがミリアムお嬢様だ。お前はこれよりこの姫君様にお仕えするのだぞ」



赤子用の寝台にそれは寝ていた。


紅色の頬、小さな薔薇そうびの花弁のような口、信じられないほど小さな手。


城に住まう使用人の中で自分が一番年若であるため、赤子を見るのはこれが初めてであったが、何と小さく尊き生き物であるか、と、当年八つになったオスカルは思った。


「オスカル、抱っこしてみる?」


母となった伯爵夫人がオスカルに言った。


「え?よいのでございますか、奥方様!?」


「もちろんよ」


夫人が寝台より姫君を抱き上げ、抱き方を見せてくれた。そして、オスカルの腕の中に持たせてくれた。父パトリックが、姫君を落とさないよう隣で支えてくれる。自分の方へ移された拍子にうっすらと開いた瞳の色は若草のような緑色だった。


(うわぁー!)


姫君は乳の匂いがした。甘くまろやかな匂い。


(僕の、愛らしい、姫君様・・・)


とても柔らかく、脆く、愛すべきもの。


感動で心の臓が大きく膨らんだのを感じた。


(これから僕がこの姫君様をお守りするんだ)


目をきらきらと光らせたオスカル少年にとって、姫君との初対面は、胸に深く刻まれた日となったのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ