桶狭間 5
「姫ちゃ~ん、まーだー?」
問題が向こうからやってきました。
「母上、まだ連絡してないですよ、まだ危ないですので離れていて下さい。」
「あらあら~でも旗はあがったし今回もダイジョウブって姫ちゃん言ってたから~」
相変わらずの母上(濃姫)である、戦場の気構えがまったくない。
「母上だけでなく、白十字の皆さんが危ないのです、ここはまだ戦場です、安全が確保できません。」
白十字部隊、女性を主たる医療補助、陣幕(野戦病院)の 部隊である、白衣に赤十字の線縁だけあるタイプ、部隊の最後方に位置しいつでも逃げれる準備だけは最優先で行っている。これもまた訓練校の生徒であるが主に未亡人・孤児が多い、参加は強制ではなく自由参加(体調とか子供の面倒とかあるし)である。
「え~でも~もう用意しちゃったよ~」
後方にて陣幕やら炊き出し、白衣の女性たちの姿が見える・・
こうなるともう無理ですね、さらにその周りに戦の終わった兵士たちがたむろし始めます、目当ての女性や出会いを求めた新たな戦の始まりですね・・
この時代、兵士は男性です、なので戦は勝ったほうにも兵士の死だけでなく家庭の死を一家の大黒柱を失うという悲しみも生みます。親族のそばであればいいのですが流れてきた人や親族に会いたくない人も多いですし、情報や出会いがありませんしね。
織田軍は敵・味方・兵士・一般人を含め女性への乱暴は厳禁です、見つけたらその場で斬首です。さらに言いますが人身売買も厳禁です、この時代では珍しいですね。お金が欲しくて戦争を仕掛けて一般人を捕虜にして売り歩いている武田や上杉(なので関東の北条家に戦争を仕掛けたのは有名)は大嫌いです!
まぁ殿様の奥さんの部隊に手をだす味方の兵士はいないと思うので統制のためには母が役に立ってくれているのかな。
あっ・・・
「母上どうもありがとうございます、白十字部隊は宜しくお願いいたします。私の陣地にいつものお菓子を用意してあります、先に行って休んでいてください。」
「あらあら、ありがとね~」
挙動不審を悟られないように母をこの場所から遠避けねば、まさか母の部隊に手を出そうとする不届き者がいるとは。
走り出す姫、その先には怪我をしたふりをして女性兵士をナンパする信長
「あんたは無傷でしょうが~~~」
信長に向かって蹴りが今日も飛ぶ、げしげし・・・
(濃姫に見つかると槍が飛びます)
家臣:「だれか赤十字部隊の人呼んでおいてくれ」