徴兵
1560年4月織田家領地には立札が建てられた。
『
求む兵士。
至難の旅。
わずかな報酬。
極寒。
暗黒の日々。
絶えざる危険。
生還の保障はない。
成功の暁には名誉と賞賛を得る。
家族・親族・一族・村人を守るために。
』
この時代に限らず戦争は負けた方に多大な被害をもたらします、家は焼かれ、財産は奪われ、男は殺されるか奴隷に、女性は売られます。
戦争に正義は関係ありません、強いものが正義です。勝てばなんとでもなりますからね。
領民は戦を知っています、知らなければ生きていけません、辛酸を舐めた人もいるでしょう、その残酷さ惨さを。
守らなければならないのです、自分の為ではなく家族を、愛する人を。
今川軍25000人、織田軍2000人、その2000人の中に家老格はほぼいない、馬回り・小姓・名もない兵士がほとんである、なぜならば守りたいものがあるから。
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いない、足りない、できない・・・今川軍が攻めてくるのはわかっています、どの進路で、どの編成で、でも防衛拠点を守るため、落ちるとわかっている城に人を送れない・・・・確かに人に指示するのは父です、でも考えるのは私です、城主になれば城が落ちれば運命を共にするでしょう、逃げるように指示しても絶対従いません。私の考えでその人が死んでしまう、つらいです。
丸根砦・鷲津砦、対今川軍との戦いで最前線になる砦です、だからこそ重臣が入る必要があるのですが佐久間さん(家老の一人)は笑って任地に赴いていきました。
私は知っています、この佐久間さんが今川軍を引き寄せるため防衛線で時間を稼いだうえに500人で25000の軍に向かっていったことを、そして誰も戻らなかったことを。そして、その戦で勝った祝いをしている今川軍に我が織田軍が襲い掛かることを。
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Q.立札の、「極寒と暗黒の日々ってなんですか?」
A.気にしてはいけません。
(「求む兵士」を「求む隊員」にして最後の1行を消すと西暦1900年の頃の南極探検隊隊員募集の新聞広告に記載された文面になります)




