桶狭間 2
「今川軍、桶狭間山頂にて休憩をする模様、総数約5000!」
田楽狭間まであと半里(2km)これ以上は敵の警戒網にかかるから軍隊では近寄れない。
近寄れないが・・・
「とつげ・・」 げしっ
「ちちさま?何回言えばわかるのです?あっちはまだ休憩していませんよ、完全武装中ですよ!」
落馬して頭から落ちる信長・・キコエテイマスカ?
軍議中の信長は決して馬鹿ではない、敵5000に対しての対応として側面からの攻撃、一点集中、目標を確実に達成するために包囲体制を整え、士気を高めるため敵全軍25000対織田軍2000、そこから敵中央軍5000対織田軍2000、更には義元周辺の近習と護衛兵は約1000であることから、敵1000対我軍2000の戦いであることを説明している。
説明した本人がなぜ忘れるかな!もういっぱつ・・いやいや父を叩き過ぎたせいで父の威厳に疑問をもった家臣達が弟を担ぎ出して争ったこともあったし・・・
うん、父の弟と柴田勝家とかが起こした反乱だよ、殿様になりたかっただけの父の弟と威厳とか武勇だけを求める柴田とは馬があわなかったからね、父がおじいさま(信秀)の後を継いだ後大きな戦いもなかったから父(信長)の軍略は見れなかったしね。
まぁ私も思っていたけど、現在まで伝わる信長の絵、目の前の父はあんな感じなんだけど武人には見えないよね、武人より文官しかも小うるさそうな・・げふんげふん。
「今川軍、陣幕を張り休憩に入る模様です。」
おっと回想中に新たな情報が。
父が希望に満ちた目でこちらを見ている。軽くうなずくと
「第1陣より第4陣は突撃後敵を突破し反転、中央突破背面展開とする、第5陣より第8陣は拡翼の陣にて敵馬印を狙う!、首は一つでよい義元のな!」
なぜ、その戦術ができるのに、戦場になると突撃しか言わなくなるのだろう・・
「おおっーー」
織田軍より歓声があがる意気高揚である
「うるさい騒ぐな敵に見つかるでしょうがーーーー」
意気消沈である、あと、「姫が一番声が大きいです」との家臣団からの指摘が
「わし第1陣がいいな・・・・」
「父上・・・」
小姓よりハリセンを受け取る姫の姿と信長が陣幕の中に消えた。
田楽狭間の戦いの始まりである。