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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

 「俺」シリーズ

接吻

作者: アヤ

他の奴らは知らないが、俺は餌さえ貰えれば簡単に身を渡してやる。

おっと、勘違いしちゃあいけねぇよ?

あくまでも遊びに付き合ってるだけで、一度も本気になんてなっちゃあいねぇ。

相手が本気になったら、後はただ逃げるだけ……自分以外に良い思いはさせねぇんだ。

だけどなぁ、今……俺は本気を出してるんだ。

何故かって?

そりゃあ勿論、気になる女が出来たからさ。

そいつの名前は『いずみ』ってんだ。

なぁに、俺が直接聞いた訳じゃねぇ。

他の奴らがそう呼んでたのさ。




初めていずみに会った時の事は、今でも覚えてる。

懐かしいぜ。




「勝手に俺に触るんじゃねぇっ!」


俺は体が暑くて怒っていた。


「だって、もう求めた物はあげたでしょう? これからも色々あげるのに、なんで触ったらいけないの?」


いずみは何にも分かっちゃいねぇ。


「お前みたいな素人がなぁ、プロにいちゃもんつけるたぁいい度胸だなぁ、あぁん!?」


「な、何よ! こっちだって、好きで来た訳じゃないんだから……夫が無理やり連れてきたのよ!!」


なんでぇ既婚者か。


「だったらさっさと帰んな。旦那に見せるもんがあんだろ?」


「あ、ありがとう。夫くーん! 見て見てぇっ!!」


「どうしたいずみ?……って凄いじゃないか!」


「でしょでしょ?」


ふんっ、目の前でひっつきやがって。

俺を一度でも捕まえたんだ、誇りに思ってくれて構わないぜ。




で、今にいたる訳だ。


「夫くーん! 息子くんをちゃんと見ててねー!」


「分かってるよぉー!」


この夫婦、子供までいやがった。

ちくしょお、子供も喜ばせてやりな。

お前の接吻は格別だからな。


「さてと、下ごしらえ下ごしらえ! えぇぇーい!!」


お前の接吻は、本当に旨いんだよ。


「今からあげてあげるーっ!!」


ったく、ハイテンションな女だぜ。

……今日1日、ありがとうな。




あばよ。




ジュワァッ




「夫くん、息子くん、私の釣ったキスの天ぷらよー!!」




ー終ー


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― 新着の感想 ―
[良い点] いいですねえ。 いやはや。きゅんときます。 [気になる点] いえないこと。そこがいいのかも。 そう。題名で、題名です。でも爽やかですね。 [一言] 絢様 ぼっけんさん様のところから来ました…
[一言] そっちかあああああっ! 上手いオチでした。(笑)
[良い点] 焼焦げるほどに、 熱烈な、 そして大胆な、 接吻でした。 [気になる点] こう、もっと絡めて、 へばりつくような接吻の描写をですね、 ええ、あつく燃え上がる前の、 どろっどろになってるキス…
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