~狂い始めの群青色ブレスレット~
さて、今回の話は、俺がまだ新米の時だ。
入りたての俺は未熟で、先輩に迷惑をかけていた。兄さんにも
「お前はどうしていつも...。」
「お前はこれしかできないのか。」
すべて決めつけて、俺から自由を奪って...。
でもある先輩は違った。
「大丈夫!お前はすごい才能を持ってる」
「勿論、バカにはしてないぞ?」
そう笑ってくれた紙白沢先輩は署でも一番の人気者だった。一番使えない俺に付いてていいのかよとそのとき思ってた。ご飯や差し入れをあげるといつもにこやかに
『ありがとう。』
そう口にしてくれるだけだった。そんなある日、紙白沢先輩は俺を武道室に呼び出した。
「先輩?話ってなんですか?」
『吉野。いいか?これを渡しておく。』
そういって渡されたのは青色ブレスレットだった。
「なんですか?これは。」
『お前の母さんの形見だ。母さん、自殺したって。知ってただろ?』
「知ってました。でも、なんでこれを?」
『俺はお前の母さんを止めたとき、ブレスレットを渡してきた。それで、
『息子をたのみます。』
そういって飛んだ。』
「そうだったんですか。」
そういって俺はその日から忘れることのないようにブレスレットをしていた。
それから回りの警察官も俺を気遣うようになった。
しかし、ある日俺の手元の電話に一通のメールが入った。内容は
『紙白沢百合
私の夫が誰かに刺されました。
吉野さんあなた、夫と仲が良かったようですね。どうか犯人を探してくれません
か。』