表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフター*ダーク  作者: えむ
序章 青天霹靂/マ王降臨
13/48

11

「ろぐpa、アウトおおオおおおオオオ!!!!」

 眼前で絶叫しながらのたうち回るサージタリウスを見下ろしながら、青年は口元を僅かに吊り上げた。そして心底楽しそうに言葉を紡いだ。

「回線は接続した。ほら、思い出したろ? 痛みってやつをよ」

 返答は、無い。

 叫び続ける男を支配するのは、最早まともな思考ではなかった。ただただ湧き上がってくる飽くなきまでの痛みだった。

 痙攣したように男の身体が跳ねる。

「――がガガが、ろ、ぐあウ、と……!!」

「無駄無駄。忘れた訳じゃねえだろ? テメエの体の基本性能。痛みを感じない代わりに許容量を超えた時の強制終了は無い。あん? じゃあ、なんで痛みを感じんのかって? さっき言っただろうが。だから、痛みの回線を繋いでやったんだよ」

 青年は「まあ」と一拍置いて、

「聞いちゃいねえか。それじゃあそろそろ終わらせようか?」

 吐き捨てた直後、右手に黒い光を集束させ始めた。

 徐々に加速していく黒の集束は掌大にサイズを留め、握ると同時に拳に馴染む。拳そのものを覆うように揺らめく漆黒のそれは、闇より黒く夜より深かった。

「痛みの先にご招待」

 そう言って青年は駆け出す。

 もがき苦しむサージタリウスに向かって奔る青年は、凶悪な笑みを浮かべていた。

 そして数瞬の後、解き放たれた黒が──炸裂する。



   *


『――佐山ちゃーんお待たせ。GUILDのBBSの過去ログ引っ張ってきたよ』

 路上に転がったイヤフォンから声がする。

『どうやら人型らしいんだよねー、マ王って。佐山ちゃんが殺ったのって獣型って言ってたでしょ? だから本体じゃ無かったのかも』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ