夕友
夕町さつきの思考は止まったままだった
激しい虚無感が彼女を内包していた。
必死に頭を働かせようとするが、虚無がそれを拒む。
理由は、親友と思っていた2人に絶交を告げられたから、だった。
理由を聞こうと思ったが、口は動かなかった。無言で彼女らを見つめていたら2人は去って行った。
さつきには去っていく彼女らを見つめることしかできなかった。
5分ほど立ち尽くしてようやく体が動いた。
すぐ横のの縁に体重を載せ中庭を見る。
完璧に思考が停止したな、と自覚はあった。
しかし、今自分がどのような状況に置かれていて、自分が何をすべきか全くわからなかった。
というより考えることをしなかった、虚無感のかたまりのようなものがさつきを確かに包み込んでいた。
暗くなってきた。
とりあえず帰らなくては。
石のような体をため息を吐きながら動かす。
一旦体を動かし始めたらあとはルーティンに従うだけで簡単に家の方に歩けた。
今日学校で借りた村上春樹の本に完璧に影響されました
オマージュってことで