新世界×力
軽いー
それしか感じなかった。
砂が崩れ落ちるようにあっと言う間に時が過ぎていった。
多分もう順応していたんだと思う。合宿のハードな練習に。
まるでそれが当たり前に通る経過点のような気さえしていた。
いつの間にか良い走りができて、グンと伸びただろうタイムも、学校に行くために通る歩道橋みたいな、これからは当たり前に通らなければならない通過点みたいに感じる。足が勝手に出てくる感覚が心地よくて、もっともっと走りたいなんて思っていたら、試験であるコースはとっくに終わっていた。今なら我心に楽勝で勝てるかな。今まで自然と目標にしていたアイツ。また勝負してぇな。
三回目の試験、これがAに入る最後のチャンス。我心の実力を示すためにも俺はAに入りたい。俺と同じくらい速いアイツなら、俺がAに入ることで、アイツも速いことを証明できる!Aに入って、アイツと陸上してぇ!
俺にとっても、アイツにとっても……それが一番進むべき道だと思うー
Aの奴らは人間かって疑うほど速かったし、最初からハードな練習に息が荒れることもなかった。つまり、アイツらより伸びシロはずっとあったんだ。最初から完璧なんてよりも、努力で完璧を目指す方がずっとカッコいい。もっと伸びる可能性があるってことは、完璧な人を越せる可能性があるということ。その完璧な人を越したからといって自分が完璧になるんじゃなくて、それでもまだ伸びシロがあるような奴に俺はなりたい。
数時間後に結果は出るだろう。Bグループ全員で突き上げた拳を思い出しながら、もう一度自分の右手を見つめる。今までの人生の中であんなに団結力を感じたことはこれまでになかったと思う。
小学校の運動会の時だって、クラスの団体競技よりもクラス選抜対抗リレーの方を優先していた。それもリレーのバトンパスとかの練習じゃなくて、一人ずっと同じコースを走ってるっていう。一番モチベーションが上がるであろう人生初の一年のリレー。その大舞台で、ずっと個人練習をしていたからか、ザマミロと言われるくらい下手なバトンミスをした。それからというものの、運動会という言葉を聞くだけで協力的じゃない自分が思い起こされる。しかも一年でそのミスをした俺はその齢にしてみんなに文句を言われる始末。そのときからクラスの協力行事が「楽しむもの」ではなく、「やらされるもの」となっていった。部活だって野球やサッカーと違ってチームプレイが少ない分、団結という言葉とはまた違っていた。
そんな俺にとって初めての団結というものが、逆行からの望みというのはあまりにも綺麗すぎだと思う。
しかしその反面止まらない胸騒ぎ。Aに入るかどうかの不安とは別に、また何か別なものが背後で動いている気がした。
お久しぶりです!最近は本当忙しくて、全然小説に打ち込めませんでした;;先々週からずっとテスト続きな上に今週は試合が二日もっΣ( ̄□ ̄;)
趣味と両立出来るように頑張っていきたいです(^_^)v
さて、今回は柘榴の過去編ちょっと入りました!私が卒業した小学校では、運動会に、もう選抜リレーをやってないそうです;;結構楽しみな競技だったんですが……。ちなみに高校生といえば!マラソン大会があるんですねっ(`・ω・´)キリッ☆
マラソン大会自体は個人競技なのですが、団体戦としてクラスの平均をとってクラス順位をつけるそうですo(^-^)o
上位目指して頑張るぞっ(笑)
では、また今度。ここまでお読みいただきありがとうございました(^∀^)ノ