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秒速200m  作者: 楼榮 槐
12/18

希望×涙

「もういたくねーよ、こんな場所」午前中の試験結果を悔やむ樺戸。俺もその言葉に静かに頷いた。

「柘榴も同じなのか?顔に全く出てねーぞ?」

「思ってる。こんなとこいて、ホントに為になってんのかって、自信失うだけじゃないかって」思いたくなくたって現実を見れば明らかだし、どこまでも差があるAグループに追い付きたいなんて気持ちもとうに消え失せた。これから始まる午後練習も、やる気が出ない。俺だけじゃなく他の奴らもだ。Bグループに倦怠感が(ただよ)う。

 そんな中にBグループ担当の松浦が来た。

「何、この雰囲気は?練習する気あるの?」誰も何も答えない。やる気はあるとは言えないし、無いと言ったら松浦を怒らせるだけだろう。

「そこの赤いティーシャツの男子、練習始めるけど?」指されたのは、未だに地べたに座りこんでる樺戸だった。松浦の視線によって嫌々ながら立ち上がる。

「別に俺、やりたくないなんて言ってないじゃないっすか。今までこんな辛い練習したことなかったんだ。みんなも同じだろ?」頷くこともできない皆を見回す。


「先生もBの担当なんてやりたくないでしょ?どうせならKとか、真ん中らへんやりたいって。所詮俺らは一位をとることはできない扱いづらい二番目っすよ。伸びしろもなければ、もともとの才能も一番には程遠い」ちょっといいすぎだろ!?俺は樺戸に非難の目を向けた。

「それはB全体を否定してるって考えるべきなの?」

「そうとは言ってな……」

「アンタはだから甘えてるって言われんの!」松浦が突然怒声をとばした。自分に言われてるわけでもないのに強く心に響いた。Aじゃなくても良い、一番じゃなくても良い、そんなやる気のない心が欲していた言葉。

「今まで練習を途中でほっぽりだしてきた人なんて沢山見てきたよ。でもね、それよりも辛い練習に堪えてきた人の方が沢山いたよ!アタシたちコーチはこの仕事に人生かけてんの!顧問のように、教師って仕事をしているわけでもなく。だから、アタシたちはアンタたちを精一杯サポートするために生きてんの!それに生き甲斐を感じてんの!それを、アンタらプレーヤーはやりたくないなんて一言で済ませらるわけがない!」頬に伝わる涙を拭い、それでも叫ぶ。その俺たちに向けられた涙に俺も感動した。あの人は、他のAばかり見ている指導者とは違かった。Bだからと、負け組だからと、罵りはしなかった。ただ励ましたー

俺の勝手な想いに違いないが、この人だけは俺たちをしっかり見ている、そう心が訴えた。

 彼女の目は決意に満ちていた。俺のような迷いのある目を跳ね返すように、陰の部分も照らす光のように、あの人の目は一心に前を見つめていた。

「這い上がれ!」彼女の言葉と共に、

「いつまでもセカンドなんて言わせない!」俺はいつの間にか声を出していた。

「俺たちが上に行くんだ!」

「負け組なんて目、されちゃたまんねーよ!」次々と沸き上がる声。いつの間にか皆が声に出して、奥底に秘めていた希望をさらけ出した。

「負けるもんかー!!」空に突き上げた拳に誓い叫ぶ俺たちを、Aや他のグループになんて笑わせねぇ。



合宿行ってきました!山だったので電波は届かないし、霧で真っ白だし、凄かったです!! でも凄く楽しい体験ができました( ̄∀ ̄) 私の部活は男女一緒なのですが、部員とももっと仲良くなれたと思います。

 流石に柘榴たちのように事件という事件は起きなかったですけど、体育館に虫がいっぱいいまして……羽が壊れててもめっちゃ頑張って歩いてる虫を女子で応援してたんです。そしたら、男子が間違って踏んじゃったんですね;;(不慮の事故なんで悪気はないのですが→しかも私の部活は優しい男子しかいないので)みんなであ゛あ゛あ゛!!!みたいな感じでした;;

とりあえず体育館は虫の死骸だらけ(笑)

合宿はホントに楽しいので、行く予定のある人は是非とも楽しんで下さい。私もまた来年を楽しみにしていますo(^-^)o

長文になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。




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