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36 オークを超える

「見たかよ、ペペ? 俺たちだけでもオークを倒せたぜ?」


 ボクは今、すごい光景を見ているのかもしれない。


 オークの胸の上に乗って笑顔を見せるアベルと、ジッと倒したオークを見つめているクレト。二人は初心者冒険者だったはずだ。たぶん、狩りもこれで三回目くらいだろう。


 なのに、もうオークを倒してしまった。しかも、危なげなく、スマートに。


 彼らは優秀だね。思わず嫉妬しちゃいそうだったよ。


 ボクはどこか彼らに対して保護者のような気持ちを持っていたけど、とんでもない。これはうかうかしていると、ボクなんて簡単に置き去りにされてしまうだろう。


 ボクもがんばって自分の腕を磨かないとね。


「すごいよ、二人とも! まさか、もうオークが倒せるなんて思いもしなかった。それだけ二人はすごいことをしたんだよ!」


 ボクの言葉にアベルが得意げな顔をして、クレトが恥ずかしそうに頭の後ろを掻いていた。


「すごかったよねー。アベル、クレト、おめでとー!」

「二人とも、おめでとうございます」


 ダリア、セシリアも二人に祝福を送る。それほどのことを彼らは成し遂げたのだ。


 パーティとしても、ボク以外にもオークを倒せるメンバーがいるのはいいことだ。ボクがオーク討伐に縛られないので、オークよりも強いモンスターと戦うことができる。


 これから先、オークよりも強いモンスターと戦うことも増えてくるだろう。そんな時、今までゴブリンしか相手にしてこなかったのでは、戦って勝てるモンスターなんていない。


 いつかはアベルやクレトたちにオークに挑戦してほしかったけど、こんなに早く討伐が叶ったのは予想外の幸運だ。


 でも、まだ安心はできない。


 アベルとクレトは、まだ一回しかオークを倒していないし、二人がかりで勝ったのであって、一対一で勝ったわけじゃない。


 言いたくはないけど、たまたま偶然勝ててしまっただけかもしれない。


 それを偶然じゃなくすためにも……。


「次もアベルとクレトにオークの相手をしてほしいんだけど、いいかな?」

「おう! 任せとけ!」

「がんばってみるよ」


 二人ともオークを自分たちの力で倒せたから気持ちが前向きになっているのだろう。快く了承してくれた。


 まぁ、あと二、三戦は様子見だけど、たぶん二人なら大丈夫だろう。そんな気がした。



 ◇



「どりゃあああああああああああああああああ!」


 アベルの大剣が振り下ろされ、オークの首に叩き込まれる。


 頸動脈が斬れたのか、オークは青い血を首から噴水のようにプシュップシュッと鼓動に合わせて噴き出す。


 オークの目がぐるりと白目を剝き、そのまま膝から崩れ落ちた。


 アベル、クレトの勝利だ。


 あれからもう十体はオークを倒しているけど、アベルもクレトも危なげなくオークを倒し続けている。


 これはもう完全にオークを攻略したと言ってもいいだろう。


「しゃっ!」

「やったね!」


 アベルとクレトももうオークが敵ではないことを実感しているのだろう。いい笑顔を浮かべている。


「二人ともお疲れさま。もう完全にオークを攻略したね」

「まあな! 俺たちにかかればこんなもんよ!」

「思ったよりも上手くいったね」


 オークに躓く初心者冒険者は多い。やっぱり縦にも横にも大きいし、威圧感があるからね。呑まれちゃうんだ。


 まぁ、それを超えられると、オークはそんなに強いモンスターじゃないんだけどね。


 でも、二人は見事オークの威圧感を乗り越え、倒すことに成功した。


 それも、一回だけではなく、何度もだ。


 これは賞賛されるべきことである。


「もう完璧にオークに勝てるね! すごいすごい!」

「おめでとうございます」

「へへっ」

「ありがとう、二人とも」


 ダリアとセシリアにも褒められてアベルとクレトも得意げだ。


 それからも、今日の狩りで遭遇したすべてのオークをアベルとクレトの二人で倒した。


 途中何度かアベルが怪我をしたけど、セシリアの治癒魔法で治る範囲でよかったよ。


 もう一つの注意点でもあるゴブリンの変異種も、ダリアが弓で倒してくれる。


 ボクは残った普通のゴブリンを退治するだけでいい。


 今日一日を通して、かなり安定して狩りができた。


 もうしばらくゴブリンとオーク狙いで狩りを続けて装備を整え、次はもっと森の奥に入っていってもいいかもしれない。


 予想されるモンスターは、ジャイアントスパイダー、ジャイアントセンチピードなどの虫系のモンスターと、ジャイアントディアーやツインヘッドベアなどの動物系のモンスターだ。


 ゴブリンやオークと違って、動きの予想しやすい人型ではないので、最初は苦戦するかもしれない。


 ボクはどれも倒したことがあるので、できる限りサポートしようと思う。


 まぁ、この『冒険彗星』のみんななら、ボクのサポートなんて必要ないかもしれないけどね。


 それはそれとして、最悪の事態に備える。それがボクの仕事なのだろう。


 一応、ランクは一緒だけど、冒険者としては先輩だからね。

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