偽り方
「自分」を「自分」じゃなくする。本当の自分は隠し、「猫かぶり」をする。社会ではそうやって人と接していかなくてはならない。大人になったらそういう機会が沢山増える。大人になったら怖いものばかりだ。
私の偽り方はこうだ。人の前ではいつも笑顔。苦手な人も好きな人もいるが、好きな人を好きになるのも面倒だし、嫌いな人をとことん嫌う。というのも面倒だ。だから常に同じ対応。無理に笑って相槌を打ったり、同情したりする。
しかし、そうしていると何が何だか分からなくなる。気が付けば感情のコントロールが上手くなった。でもやっぱり限界が来て、人が目の前にいるのに「自分」になりかけてしまうことだってある。偽るというのはとても大変なことだ。「自分」に逆らうのだから。偽りすぎて、しんどくなる時がある。みんなだってそうだ。私一人がこんな思いをしているわけじゃない。知っている。分かりきっている。しかし、発狂したくなる程しんどい。それもみんなだ。分かっている。分かっているがやはり耐えられなくてどうしていいか分からなくなって壊れてしまうものだ。壊れてしまうと修復まで時間がかかる。修復したと思ったらまた自分を偽る。そしてまた壊れる。修復。直る。壊れる。の繰り返しだ。機械だってそうだ。こうして違う視点から見ると、人間は機械のように見えてもおかしくないと私は思う。