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心中  作者: 堕天使
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働く理由

 人によって働く理由は様々だ。例えば「これからの生活のため」「自分の趣味」「やりたいこと」「社会貢献のため」だの沢山ある。どの理由も素晴らしく、輝かしいものばかりだ。

 もし「貴方の働く理由は何ですか。」と聞かれたら、私はこう応える。


“人間らしくするため”


この回答はどうなのだろうと思うだろうが、これが私の答えだ。正式に働いたこともなければ、正直、働きたくもない。当然だ。この世界に絶望している。だからと言って働かないわけにはいかない。世の中には社会という『目』があり、それは常に私たちを見ている。働かなければ「ニート」「引き籠り」「親不孝」というレッテルを貼られてしまう。周りからそういう目で見られるのも嫌だし、こっちも不快になる。世間の『目』というものは非常に面倒で恐ろしい。働かなければダメなのか。社会には「親不孝」という言葉があるが、何故「産んでほしい」と頼んだわけもなく、勝手に産んだ親に恩返しをしなければいけないのか。それが常識?聞いて呆れてしまう。自分のことなのだから自分のことだけ考えて生きていけたらいい。しかし、それも「自己中」と言われる。周りも考えなければ、いい人間とは言えないらしい。人間の世界とは何故こんなにも狭くて苦しくて面倒で繊細なのだろう。どうにも、人間世界は私には合わない。

 いっそのこと「ダメ人間」になってしまえばいいと考えたこともあったが、それはそれで面倒。周りからはずっと叩かれ、身内からは怒鳴られる毎日。私はただ、下でも上でもなくのんびりと中間でいたい。上だと期待や信頼され、失敗したときにそれら全てを失い、責任も大きい。別に人にどうこう言われようが、人が周りにいなかろうが私には関係のないことだが、逆に下だと叩かれる。‥‥‥‥という自分の考えが自分自身を苦しめているのだろう。そうやってわざと人間の前では自分も一人の人間であろうとするから余計に疲れるし、精神状態も悪化する。でもそれが世の中ってやつだ。中間にいれば過度な期待も信頼も失望もされない。これでいい。自分は今日も世の中の、社会というものに絶望して息をする。


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