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悪魔の呪い
「死にたいなぁ…」
ひとりごとのようにつぶやいたその言葉。その言葉が偶然、「友人」に聞こえてしまったらしい。
「そんなこと言わないでよ…私、なっちゃんがいなくなったら寂しいよ…!」
その言葉聞いた時、嬉しかった。自分は馬鹿で何もできない人間だからこの世界にはいらないと思っていた。でもその人は寂しいと言ってくれる。ふと、自分の悪魔が囁いた。《この人間は嘘を言っているに決まってる。ただ、綺麗事を並べているだけで所詮は一本の細い糸で繋がっている上辺だけの『友人』さ》と。その悪魔は『友人』という言葉を強く言ってきた。信じたくなかった。だってその子に悪いから。するとまた悪魔が口を開いた。《人間の心の中なんて本当はなんて思っているか分からないだろ。人はそういう生き物だ。人を傷つけたくないから上手い言葉を言う、自分が他人の面倒なことに巻き込まれたくないから綺麗事を並べてやり過ごす。自分だってそうだろ?他人事は面倒だし、付き合いたくないだろ。そうやって世の中は成り立っているのさ》それを聞いた時、自分の頭の中で何かがプツンと切れた。そこからだった。人を、人間も何もかも信じられなくなったのは。




