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7  『BABY I LOVE YOU』


 夢を見た。僕は誰かに抱かれていた。そこには愛があった。笑顔があった。温かさがあった。僕が知らないものすべてがあった。僕は満たされていた。こんな時間が永遠に続けばいいのにと心の底から思った。


 僕は母親に抱かれていた。生まれたばかりの僕は祝福されていた。母親だけじゃなかった。周りにいる人もみんな笑顔だった。その笑顔の中心に僕がいた。


 そんな幸せな世界のなかで一際存在感のある女の子がいた。年は十歳くらいだろうか。凛々しくて、だけど可愛らしい顔立ちの女の子。


 どこかで見たことがある。


 ああそうか。この子が僕の姉か。僕が生まれた後すぐ死んでしまった、僕のお姉ちゃんか。彼女は母親に何かお願いをしているようだった。どうやら僕を抱かせてほしいらしい。母親は心配している様子だったが、彼女は『大丈夫』と言った。


『私の弟だもん。抱いてあげたいの』


 そして彼女はゆっくりと僕を受け取った。彼女の腕のなかは母親に負けないくらい温かかった。僕は彼女に精一杯の笑顔を見せた。彼女も僕に素敵な笑顔を返してくれた。


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