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ちーちゃんは雨のなか

作者:和泉龍一郎
これは僕が子どもの頃の話だ。初恋の話だ。僕が誰とも馴染めず、一人ぼっちだった頃の話だ。僕の居場所は、裏山にある廃墟だけだった。そこしか安心できる場所がなかった。だがやっと見つけたその廃墟には、すでに彼女がいた。

──ちーちゃん。
これは僕と彼女の、出会いと別れの話だ。
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