はじめに
小説家になろうでは、広告がエロ方向に偏っている。
ゲームだったり漫画サイトだったりのアダルトコンテンツらしきもので煽ってくる。
定期的に「アダルト広告は止めてほしい」との投稿も目にしていた。
サイトの運営が金銭的に大変なんだろうか?と2022年8月に「なろう運営、儲かっていない疑惑(T/O)」(N9537HT)を投稿したが、感想欄で「なろう儲かっているよ」とヒナプロジェクト社の貸借対照表を御教授いただいた。この時は十分に読み解けなかったか、ヒナプロジェクト社が黒字であることと、10億円を超える剰余金を抱えていることは理解できた。にも関わらずアダルト広告の表示を継続することには、運営による集金優先の意思(金目)を感じていた。
その後、はせさんによる「学生から見たアダルト広告問題について」(N6755HZ)「1年経っても解決されないアダルト広告問題について」(N0640IO)で18歳未満の人にもアダルト広告が表示されていることを知った。ログアウトして(ゲストとして)アクセスしても、ゲームや漫画サイトにエロ釣りする広告は変わらなかった。全年齢対象のネットサービスとして不適切であると考えた。しかし一方には根強いアダルト広告許容派も存在する。許容派と拒否派は感情的に対立し、宗教論争のように相容れない。
2023年11月には男性向けR18の新サービスがリリースされ、運営がアダルトにリソースを向ける姿勢が明らかになった。
2024年2月、らんたさんの「お願いです。童話も投稿できるサイトでエロ広告は辞めてください」(N7146IQ)とそれに対する白烏さんの「何を言っているのかわからないエッセイを読んだ話。其之弐」(N7504IQ)を読んで、「そういや公式で童話企画やってたけど、自己矛盾じゃね?」と感じて、「童話投稿を増やす際の障害はなにか」(N8066IQ)を投稿した。投稿作成中に、「なろうサイトがフィルタリングサービスで規制対象になっている」ことを知った。
前記「童話投稿を増やす際の障害はなにか」でアダルト広告はサイトの価値を毀損すると述べた。スタートアップ企業の(古典的な)成功は、上場か売却である。アイディア勝負の段階から、持続的な成長や安定した経営へのパラダイムシフトである。アップルコンピュータ(後にアップル)であれば、スティーブ・ジョブズ(第一期)からジョン・スカリーへの交代である(評価は様々である)。
奇しくもヒナプロジェクト社では、創業者二名が2月末で退任、経営体制を刷新した(本稿執筆中に知った)。この先、上場するのか売却するのか(したのか)、単に所有と経営の分離なのか、創業者の早期引退なのか、明らかになるのはこれからであろう。
そして先日。市境前12アールさんの「エロ広告について、結論迷子なままに書き連ねる。」(N8452IQ)と、感想欄でのやり取りにインスパイアされ、本稿をまとめることとした。
まずはヒナプロジェクト社がナイトランタン社と合併した時の枠付公告を元に、貸借対照表を読み解いていく。
各部分の投稿順が前後していることをお詫びする。重要な情報より執筆し、優先して投稿したためであり、ご容赦いただきたい。