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メリットがあるならば

 心では全力で叫ぶが、まぁ、当然、実際にはそんな事言えない。

 でも、そうか。私だけの問題では無くなるわけか。配慮が全く足りていなかった。


 ……って今の!今のって!?

 引き続き私とお付き合いしてくれるどころか、結婚まで進んでる!!

 いろいろ状況が変わって、改めて話し合いの場を設けなければならないかと思っていたけれど……やった、やったぞ!!


 公表するのは、まぁ未来の話ではあるのだけれど……いや?それほど遠い未来ではないかもしれない。遅くとも、来年の夏の終わりか秋頃には政府の人と面談があるとかなんとかだし、それまでにはいろいろ対策も整うとかなんとか言ってたよね?春姫ちゃんが。

 そしたらその頃には公表しているのかもしれない。となると、それまでには私とイズナさんは結婚しているのだろうか?

 あ、そもそも公表時期とかそのへんの話合いもまだだから、イズナさんはそれを知らないのかも。


「あの、イズナさんは、私が妖精である事を公表するのはいつ頃になるとか、予測できますか?


「そうですね……神域側の目標としては今年度中には、公表できる体制を整えたいですね。」


 質問に答えずに、質問で返した形となったがイズナさんは怒りもせずにきちんと答えてくれた。

 しかし、思ったより早い。結婚の準備期間は半年も無い事になっちゃうのかな。

 というか、神域でも『年度』使うんだね。


「妾の想定より早くなりそうじゃ。まぁ、イズナがその気になったなら可能じゃろう。体制を整えるのは早ければ早いほど良いからの。後はケイ、おぬしの習熟度次第となるじゃろうが、そっちは妾がみっちりシゴイてやるのじゃ。」


 春姫ちゃんが補足情報、というか、私もしっかりと神域や霊力の事を学んでいかないとイズナさんが折角頑張っても待たせる事になってしまうぞ、と教えてくれたのだ。

 ただ、言葉の最後あたりで右手で輪を作る様な、ナニかを掴む様な形にしていたのは私は見逃さなかった。すぐに視線をずらしてやったので、その手がその後どんな動きをしていたのか見ていない。観測していないので、何もなかったのだ。


「頑張ります。」


 人生で一番の踏ん張りどころだ。どうせだったらば、私の方が先に準備を整えてやる!という気持ちでいこう。まぁ、私は、自分の事をするだけでいいから楽だ。手伝ったら逆に足を引っ張る事になる。


「それで、その、先程の返事なのですが、変質者の称号について、深く考えていませんでした。イズナさんに累が及ぶ可能性まで考えておりませんでした。申し訳無いです。」


 頭を下げる。

 イズナさんへの不名誉な噂となるのならば、それは嫌だ。


「じゃが、おぬしは、耳や尻尾が大好きじゃろ?どうせイズナと変態的な事をするじゃろうし、今後の対策の一環として検討してみた方が良いんじゃないかの?」


 一体何て事を言うのだ!さっき助け舟を出したというのにこの仕打ち!!

 と思って春姫ちゃんを見るが、真面目な顔をしている。

 あれ?ふざけたわけじゃなくて、ガチな話?


「そう、ですね。メリットがあるならば検討してみるべきです。私は……構いません。」


 イズナさんは少し赤くなりながらも、そう言った。

 あっ!今イズナさんが構いませんと言ったときに、春姫ちゃんの口元が一瞬ニュッと上がった!!一瞬だったが私は確かに見たぞ!

 って、あれ?春姫ちゃんはこっちを見てウインクしてきた。ケモミミロリウインク可愛い。

 もしかして、さっき助け舟出した事への、春姫ちゃんなりのお返しのつもりなのか?……私が、イズナさんへ変態的な行為をしやすい様にと。尻尾や獣耳に執着しちゃってもいいようにと。

 くっ、確かに、ハードルは少し下がった様な気がしなくもない。


 ちなみに同志ラスは少し興奮気味……ではなく、今後の方針に強い関心を示している様子。

 クロはまだ狼耳と尻尾がへにゃっとしている。元気付けたいなぁ。


「では、その、よろしくお願いします。」


 『変質者』の称号をどうするか決める会議?をよろしくお願いします。

 何と伝えればいいのかわからなくて、そんな言い方になってしまった。

 イズナさんは「はい」と、春姫ちゃんは「うむ」と返事をくれた。


「では、話は戻ってしまうのですが……クロは霊力が強くなったときに出る特徴が何か欲しかったんだよね?」


 クロのしょんぼりを早くどうにかしたかったため、一気に話を戻す。

 あとご飯冷めちゃうから早くしないと。


「うん。欲しかった。」


「それで、思いつきで、クロに器の一部を変質させるのを元に戻したらと提案してみたんです。そしたら、出来たんだよね、クロ!」


 詳しい経緯を省いて話をワープさせる。拙速は巧遅に勝るだったっけ?そんな感じ。


「……うん。尻尾が大きくなった。ケイが提案してくれたし、ケイが気付いてくれた。」


「良かったわね、クロ!」


「クロ、おめでとう。念願叶ったわね。」


「うん!!ありがとう!」


 イズナさんとラスさんが笑顔でクロにそう伝えると、クロはすっごく嬉しそうだ。

 しょんぼりから、一気にご機嫌だ。良かった。

 友達っていいね。


 ……女の子同士で仲良く笑っている姿って、すごくいいね!!

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