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いや、それhnugguammぐむむ

「クロは何も出てこない。」


 クロはつまらなそうにそう言った。何か特徴が欲しかったのかな。

 春姫ちゃんは自分の湯呑に新たにお茶を注いでいる。タマモちゃん用の小さな湯呑の1/3くらい。そしてふぅふぅしている。可愛い。


「クロはどうなりたかったとかあるの?」


「何でもいいの。何でも良いけど、何か変わってみたかったの。光ったりでもなんでもよかったの。」


 光るクロ……悪くないね!!


「こればっかりは仕方ないのじゃ。」


 春姫ちゃんはそう言って少し冷ましたお茶をずずっと飲みだした。


 そういえば、私は何か変化あったりするのかな?

 尻尾……はないから、前とか?前のモノが増えちゃったりする?


「ごっぷぅっ!!!」


 春姫ちゃんが突然吹き出してしまった。

 ちょうどお茶を飲んだタイミングだったので大惨事である。

 炬燵の天板に春姫ちゃんが噴いたお茶が広がってしまった。

 小松菜の漬物にもかかってしまった。後で残りは全部いただこう。


「大丈夫!?春姫ちゃん!」


 げほっげほっと咽ている春姫ちゃんの背中を擦ってみる。

 コクンと頷いて返事をくれた。何かの発作とかではなさそうだ。


「布巾貰ってくるね!」


 クロはバッと立ち上がり、部屋を出て行った。台所へ行ったのだろう。


「おぬしが変な事を考えるから、吹き出してしもうたのじゃ……。」


 あっ……。


「妾たちの間にパスが通ってしまった様での、近くにいるとなんとなく考えている事が伝わってくるのじゃ。今みたいに接触すればおぬしの中にいた時の様におぬしの考えが全て筒抜けになるのじゃ。普通は申し訳無い事態になったと謝らねばならぬのじゃが……。」


 うっひょーーー!!!

 やった!嬉しいよ春姫ちゃん!!!


「そうじゃよのぅ、おぬしは喜んでしまうんじゃよのぅ……。」


 さっき心読まれているのはそういう術を使っているのかとか思ったけど、術とか何もなしに読んでくれるんだ!最高かよ!!


「さっきも言ったが、タマモには聴こえることはないのじゃ。おぬしから妾への一方通行、それだけじゃ。神域基準で18禁なことばかり考えておるおぬしの思考がタマモに伝わる事はない。そこは安心じゃ。」


 それは良かった。本当に良かった。

 もしも私の考えている事がタマモちゃんに伝わるのなら、私は自身の思考矯正か何かを出来ないか願い出なければならなかった。

 ロリの健全な心は何に変えても守らなければならないのだ。


 ロリの健全な心が守られたならば、今はひとまずお茶噴いたロリを綺麗にしなければ。


「吹き出したのは妾じゃから、お茶吹いたロリではないのじゃが……。」


 とりあえず、お口の辺りは私の袖で拭いてしまおうか。


「いや、それhnugguammぐむむ。」


 春姫ちゃんの口を優しくぬぐったつもりだったけど、痛かったかな?大丈夫?あ、安心して下さい。上の口です。

 奇麗な服だからそのへんも安心してね。でも後でちゃんと顔を洗うなり奇麗なタオルで拭き直すなりしようね。


「綺麗な服じゃったらお茶のシミつくっちゃダメじゃろう!お茶吹いたくらいでそんなに丁寧に扱わなくてもいいのじゃ!というかおぬし喋れ!癖になってしまうぞ?」


「なるほど、そう言えば、今喋ってなかった気がする。確かに癖になりかけていた様だ……。」


 とそんなやり取りをしていると奥の襖がズシャッと開く。クロが戻って来たのだ。


「布巾貰ってきたよー!」


 クロは手に布巾2つとタオルを持ってきている。タオルは乾いたやつではなく、濡れている(というか、濡らしてから絞ったやつ)様だ。これは春姫ちゃんの顔を拭く為のものだろう。

 はい、これーっとそのタオルをこちらへ渡してくるクロ。やはりそうだ。ここで顔拭く用の濡れタオルを持って来るって、クロはいろいろ気がつく娘なんだなぁ。

 春姫ちゃんがそれを受け取ろうとしたが、私がそれをヒョイッと横から掻っ攫う。いや、強奪したんじゃないよ?リーチの差を活かしただけだ。

 私に濡れタオルを奪われ、春姫ちゃんは「あっ」と声を出す。変わりに私がクロに「ありがとう!」と伝えておく。

 濡れタオルはお湯を使ったようで温かい。


「はい、じゃいきますよ〜、目を瞑って下さ〜い。温かいけどビックリしないでね〜。」


 春姫ちゃんに文句を言われる前にさっさと行動に移す。

 濡れタオルを春姫ちゃんの顔に優しく触れさせる。

 と、そこで春姫ちゃんに濡れタオルを強奪された。まぁ、手の届く位置にあればそうなるか。


「大丈夫じゃ!自分でやるっ!」


 ごめんなさい。どうしてもやりたかったんです。

 と心の中で謝る。

 春姫ちゃんは自分の顔を拭き終わり、ぷはっと顔を出す。小さな声で「まったく……!」と言ったが、それだけで許してくれる様だ。それから春姫ちゃん自身もクロに「ありがとうの。」と伝えていた。


 私と春姫ちゃんがそんなこんなやり取りをしているうちに、炬燵の天板はクロが綺麗にしてくれていた。濡れた布巾で拭いてから、乾いた布巾でも拭いていた。布巾持ってくるとこから全部一人でやってくれた。


「クロ、全部やってくれてありがとう。」


 お礼を伝える。


「大丈夫、クロは全部知ってる。」


 あっ……、私が春姫ちゃんを拭いて喜んでいたりしたの、モロバレしていた?


「……クロもよく遊びに来るから、布巾の場所もタオルの場所も色々知っておるんじゃ。」


 あ、そういう事か。焦った。

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