全身水玉模様になったものもおったな
「そっかぁ……良かった。」
まるで、胸が小さくて悩んでいる女性に、大きさだけが全てではない!と伝えた様な気持ちになった。とても変態の様な事を言ってしまった気分である。
まぁ、でも、クロはなんだか安心してくれたみたいだから良いか。うん。
「『様な』ではなく、まさに、じゃ。」
春姫ちゃんが何か言ってるけど、さっきの続きか?だがよくわからないぞ……?
すると春姫ちゃんはまた私を見上げて鼻の穴を覗き込んできた。だが、その目はジト目になっている。可愛い。可愛いから撫でてしまおう。なでなで。
あっ、ため息をついて体制が元に戻ってしまった。撫でていた手をまた春姫ちゃんのお腹に戻してがっちりホールド。
「尻尾というのは霊力の強さが現れやすい部分の一つじゃな。しかも本数じゃから強さの段階が解り易いのじゃ。ただ、これは、個人差もあるからの。霊力の強さが尻尾の数に出た者同士でも、三本尻尾がある者より、二本尻尾の者の方が霊力が強い場合もあるからの。本数の差はあくまでも目安じゃ。そこんとこ注意じゃな。」
なるほど。霊力の強さを数値化したとして、100以上は二本、200以上になったら三本、みたいに解りやすい区切りはないんだね。まぁ当然と言えば当然か。
「尻尾の他にも、霊力が強い者に現れる特徴があっての、腕が増えたり、色が変わったりと様々じゃな。」
「おお!阿修羅的な感じになるのかな!?強そうだね!」
「そうじゃな、腕が増えるのは戦闘好き、その中でも近接戦闘が得意な者にこの特徴が現れる傾向にあると言われておるの。腕も尻尾の様に消せるからの、奇襲にも使えるのじゃ。戦闘訓練時に知識としてまた教えるが、とりあえず頭の片隅にでも置いとくのじゃ。」
「ほうほう。それから色が変わるのって、身体全体?それとも髪の毛の色だけとか、皮膚の一部だけ変わって何かの模様みたいになったりするとかあるのかな?」
中二心全開の様な質問をしてしまった。いわゆる、スーパーなベジタブルみたいな宇宙人みたいなイメージ。
模様というのは、炎の模様みたいなのとか、もっと欲張るなら、右腕と左脚が機械鎧の錬金術師の漫画に出てくる傷の男みたいな感じとかいないかな?魔法陣的な役割をはたしていて瞬時に術を使える、みたいな。
「色の変わり方も人それぞれじゃの。一部だけの者もおれば全身の者もおった。全身水玉模様になったものもおったな。」
全身水玉模様か……。可愛い……のかも、しれな、い……?
「いずれの特徴にしろ、産まれながらに最上級のものとされるものを持った者は、九尾と同じく土地神候補として育てるられるのじゃ。あ、多腕の場合はちょっと保留となる場合もあるがの。」
そりゃまたなんでだろう?戦闘向きだからとかだろうか?
「あまりにも戦闘向きじゃからの。」
「書類仕事とかも同時進行で早く終わらせられたりしそうだけど?」
「作業する腕が多くても、頭は一つじゃからの。色んな事を同時に、とはならないんじゃ。視界は一つじゃしの。」
それもそうか。……ならば、キーボード使えば見なくても打ち込めたりするんじゃないだろうか?とか思い浮かんだけれど、それって、もっと働けるだろ?と言ってるって事だよな。我ながら外道だな。
もちろん、可能かどうかという話であって、もっと働けよと言うつもりは全くないのだが。
「不思議な事じゃが、産まれた時点で特徴を持っているのは、九尾などの最上級の特徴の場合以外は、ほぼ一段階目の変化じゃの。尻尾でいう二本尻尾じゃ。この二本ですら珍しいのじゃ。イズナは三本だったから非常にレアケースじゃな。珍しさだけで言えば九尾より珍しいものじゃ。」
産まれた時点だと、そうなのか。
人間で言えば、産まれた時からマッチョはいないということか。
いや、人間で考えると、たまに九尾が産まれるのは、冷蔵庫みたいなゴリゴリのボディビルダーが産まれちゃう事になっちゃうか。じゃあ人間で当てはめちゃダメだな。
「霊力の強さで何かしらの特徴が現れる場合もあれば、特に現れる事のない場合もある。まぁ、九尾の馬族の様に、本人すらも気付いていないという場合もあるがの。どの特徴が出やすいかは、種族によって傾向があっての。狐族に現れるのはほぼ尻尾じゃ。」
もふもふ尻尾の狐族にはぴったり過ぎる特徴である。
さっきクロにはあんな事言ったが、多いのはそれだけでも魅力的なのである。




