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まるわかりじゃぞ

 それは、大変ありがたい。

 調子に乗ってわざと触りにいくことのないよう、心を律さなければ。

 てか、尻尾の長い種族の……当たり屋さん?すごく怖いな……。

 何が怖いって、向こうから来るならいっかー!って思って絡まれるとわかっていても当たりに行く可能性が私にある事である。アレだ、転校生に足引っ掛けようとしてくる輩に、気付いていても引っかかりにいくやつだ。……違うか。

 そしてクロよ、なぜそんなに触らせたがっているのか。そういえばさっき、交換条件で何か言おうとしてたよね。車に乗せて欲しいってことかな?別に交換条件なくても乗せるのに。まぁ、触りたいけどね。触りたいけどね。触りたいけどね。


「ありがとうございます。今後は意識して動いてみます。」


「そうじゃの、あとは……次来た時は、アレじゃの、社員として来る事になるかの?皆の前でおぬしを紹介する事にするのじゃ。あぁ、皆と言っても、ここの内勤の者たちじゃの。この境内で働いている者たちじゃ。一度皆を集めて紹介だけしておこうの。そうすれば今後おぬし一人で行動する事があっても不審がられんじゃろうし、挨拶もしやすかろ。もちろん妖精の事は秘密じゃぞ。」


「はい。ありがたいです。が、そ……その、こちらの風習的に、そこで何かするとかあったりする?得意技披露とか、一発芸とか、霊力全開にするとか。」


「ないない、そんなのないのじゃ。新年会じゃないからの。」


 新年会で一発芸とかあるのか……。そんなに遠くないぞ、どうしよう……。何か、何か私に出来る芸は、あるか?ここでやっても皆に意味が通じるネタはあるだろうか……。


「その顔、新年会の事考えて悩んでおるな?すまんが、おぬしは早々に退席してもらう事になるじゃろう。外部の者も参加する事もあるからのう。妖精の事が露見してしまうにはまだ時期尚早じゃ。タマモが酒の匂いが苦手じゃからいつも早めの退出をしておるからの、それに付き従う形でおぬしも下がれば変に思われないじゃろ。おぬしがここに馴染むには良い機会じゃと思うのじゃが、すまぬの。」


「いえいえ、それは私自身を守る為ですし。ご配慮いただきありがとうございます。」


「まぁでも、ご馳走は取り分けてこの部屋へ運び込んでから食べればいいからの。各地の神域から取り寄せた食材を使っているから、楽しみにしておくのじゃ。」


「おおっ!!それはすごそうです。」


 めちょ楽しみ!どんな食材があるんだろう?知ってる食材も味が神域化しているだろうし、楽しみでしかたなくなってしまった。興奮してきた。食べ物の事考えてアドレナリン出てきた。

 もしも姉と妹がここにいたら、神域の酒を味わいたがったに違いない。


「クロも!クロも一緒にこっちで食べる!!」


「クロは挨拶回りもあるじゃろ。」


「うぅ……。」


「それらをしっかりこなしてから、来るが良いのじゃ。」


「……うん!」


 クロも来てくれる様だ。一緒にいると言ってくれるの、嬉しいなぁ。


 ぐうぅぅぅぅ……


 大きくお腹の音が聴こえた。私のお腹ではない。春姫ちゃんのお腹でもない。クロのお腹からである。


「お腹へった。」


 ……良かった。恥ずかしそうにされたらどうしようかと思ったんだ。聴こえなかったふりをするべきか、何かフォロー入れるべきか。

 でも特に恥ずかしそうにはしていない。そうだよね、お腹鳴るくらい何も恥ずかしくなんてない事である。良かった良かった。


「もう出来る頃じゃろ。タマモも起こしてやらねばの。まぁその前に、さっき中途半端になってしまった話でもパパっとしてしまうかの。」


 そう言って春姫ちゃんはきっともう冷めてしまっただろうお茶の残りをぐぐっと飲み干した。


「まずはケイ。さっき妾というか、タマモの尻尾に顔を埋めたじゃろ。距離感の違いは今後慣れていけばいいのじゃ。」


「はい。」


「じゃがの、その前の、身体を持ち上げてまで尻尾を確認しようとした行為事態がダメじゃからの?そのへんを勘違いをせぬ様に。」


「はい!申し訳ございません!考える前に身体が動いておりました。反省しております。」


 だが、後悔はしていない!

 ……とかそういう事ではないです。九尾と聞いて頭が尻尾でいっぱいになってしまったのだ。頭いっぱいだから、考えるという行為に使える脳の容量がなかったのです。


「タマモは産まれた時から尻尾が九本あったじゃがの、霊力の扱いに慣れてからは自由に消せるようになったのじゃ。」


 な、なんてもったいない!!!


「もったいなくはないからの?」


 なぜ考えている事がバレたし!?


「まるわかりじゃぞ。」


 もったいない!だけじゃなく、なぜバレた?と考えた事までバレてら。さす春。


「九本もあるままじゃと、重すぎての。バランスが悪くなるんじゃ。」


 なるほど……当たり前っちゃ当たり前だ。てか、そうか……消せちゃうのか……。


「尻尾の数は霊力を増やせば後天的に増える場合もあるのじゃ。イズナは今六本じゃ。六尾の狐じゃな。」


 ふおおおおおおおっ

 イズナさんも尻尾消していたのか!!!

 六本の尻尾、素晴らしい。素晴らし過ぎるよ!!!!!


「クロの尻尾も増えたらいいのに……。ヒトヅマは九本なのにクロは一本だけ……。」


 人妻……?誰の奥さんだろうか。さっき九尾はタマモちゃんただ一人って言ってた。って事は、その人はもう……。


「ヒトヅマ?……あぁ、ヒトカゲじゃ!ヒトカゲは生まれつきの九尾じゃったな。」


 ……。

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