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じゃあ付くんだね

 そうそうそう、まだ野沢菜があったんだ。ぽりぽりぽり、うまぁい!これ無限に食えるわぁ……。お茶も一口、ずず〜、はぁ。たまらん。


「おっ、いいのぅ。以前イズナが漬けているのを見ての、妾もこれ楽しみにしておったのじゃ。」


 春姫ちゃんもぽりぽりと野沢菜漬けを食べて、美味しそうな顔をしている。可愛い。

 それを見たクロも野沢菜漬けを食べだす。

 三人でぽりぽり。部屋をぽりぽりという音が支配する。良い音である。ASMRとしてずっと聴いていられるかもしれない。いや、無理だな、食べたくなるもの。


「ねぇねぇ、ケイ。ドライブデートはいつ行けるの?」


 ゴフッ

 お茶を吹き出しそうになった。デートという言葉に過剰反応してしまう。

 でもそうだった。一昨日クロから次の機会を聞かれて、土地神様から話聞いた後って答えてたんだった。


「それについても春姫ちゃんに聞かなきゃね。」


 クロにそう答えると、春姫ちゃんは「ん?」と片方の眉毛を上げた。


「春姫ちゃん、クロ達と車で出かける約束をしたんだけど、私はこの神域の外に出ても大丈夫なのかな?あと、その時良かったら、春姫ちゃんとタマモちゃんも一緒にどうかな?」


「そう言えばそうじゃったの。」


 春姫ちゃんは私の記憶を見たので全部知っているのだ。う〜ん、と考える素振りを見せたがそれもほんの束の間。


「いいじゃろ。体制が整うまでのしばらくの間はなるべく一人で神域外に出て欲しくはないのじゃが、皆で行くならば問題ないじゃろ。妾も行くぞ!おぬしの聖域カーに興味あるしの。皆の都合を合わせなければならぬのじゃ。」


「やったーーー!!!」


 私が春姫ちゃんにありがとうと言うより先にクロが手を上げて喜びの声を上げた。クロは大喜び。

 良かった良かった。


「春姫ちゃん、ありがとう。」


「さすがに日帰りじゃぞ?泊まりとなれば警護の者を用意せねばならなくなるのじゃ。」


「もちろんもちろんもちろん!」


 もろちん!若い娘たちを連れて泊まり掛けの旅行なんで無理ですよ。


「折角じゃし、神具を持ち出そうかの。完全に人間化する神具があるんじゃ。」


「それはありがたい!皆と一緒に飲食店にも入れるし、お土産とかだって一緒に買えるのが嬉しい!!ありがとう!!!」


 あとは、周りから独り言喋っているおっさんだと思われないのも嬉しい。

 嬉しさのあまりに春姫ちゃんの頭に頬擦りをしてしまった。拷問か。ごめんね。狐耳は避けたから許して下さい。


「神具は持っているだけじゃ意味がないのじゃ。ちゃんと装備しないとの!」


 なるほど、深いな……。


「持っているだけでも効果を発揮する神具もあるんじゃがの。その神具は腕輪型なんじゃ。」


 ……。

 まぁ、お守りとか破魔矢みたいのもありそうだもんね。

 って!ヤバい、春姫ちゃん相手とだと、私は喋らずに頭の中で考えるだけで済ませてしまう癖がついてしまったかもしれない。ちゃんと相槌とかでも入れなければ。


「人間となるのは外見だけで、霊力は使えるし身体能力もそのままじゃ。じゃが、耳の位置に違和感があるし、尻尾が無いことで咄嗟のバランス感覚が狂うからの、事前に少し慣れておかんとの。」


 これはクロに向けての言葉。私は見た目完全に人間のおっさんだもんね。


「ケイと同じになるの?」


 クロの質問は人間という意味だよね。私というおっさんになるのか聞いてきたわけじゃないよね?


「そうじゃな。ケイは見た目は人間のまま変わっておらんからの。」


「そっかぁ、じゃあ付くんだね。」


 えっ!?

 ちょ、付く?付くって、もしかして、その、まさか、あの、前にってこと!?

 ちょっとクロに何を意味しているのか確認取り難いので、春姫ちゃんに神具の事を聞こう。


「あ、あの、春姫ちゃん。その神具の人間化ってさ、どんな感じに変わるの?例えばクロがその神具を身に着けた場合は、見た目はほぼそのままで狼耳と尻尾が無くなる感じになるのかな?それとも設定というか、思い通りに指定とかも可能だったりするのかな?」


「前者じゃの。見た目の変化は耳と尻尾じゃな。この神具のすごいのは『完全に』という部分じゃ。身につけている間は、霊力の無い人間にも視認化されるだけでなく、身体の作りまで完全に人間となるのじゃ。耳の構造も骨格も何からナニまで完全に、じゃ。」


 ん?最後らへんに何か違和感があったけど……気のせいか。


「ケイになれるのかと思ったけど、違った。残念……。」


 いやいやいやいやいやいや、なんで残念がるの!


「神具じゃないけれど、見た目を好きに変えることが出来る霊具もあるぞ?ただこれは、視覚的認識を変えるだけじゃからの。実際に触れば視覚との相違が発生してしまうのじゃ。神域内ならまだいいのじゃが、神域外じゃと大騒ぎになりかねんのじゃ。あと、燃費悪くての、霊力馬鹿食いされるのじゃ。」


 クロが残念がったからか、春姫ちゃんは別の霊具の話しをしてくれる。

 この『霊具』というのは、霊力を用いた不思議な道具という認識でいいのかな。

 よくラノベに出てくる魔道具と考えればいいだろう。

 そういえば、霊力紋作る道具があるって言ってたけど、それも霊具なのだろう。

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