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ん?知ってるよ?

 あ、何合くらい食べるとか言った方が良かったかも?いやまずは普段使っている単位が一緒かどうかの確認も必要か。でも時間は同じだったし、円も使っているし、だいたい一緒だろう。きっと。

 となればやはり、「一合くらい食べる」とでも伝えれば良かっただろうか。……いやイズナさんの手料理を食べるんだからそれでは足りないか。五合くらいいけそうな気がする。

 とかなんとか考えていたらイズナさんが戻って来た。


「私たちが普段使っている食器はこんな感じですね。」


 を言って持ってきた食器類を見せてくれた。

 ……でかいな!私のご飯茶碗と同じくらいの大きさ。女性用としては大きいと思う。少なくても家族のと比べると大きい。神域の人たちは人間よりもたくさん食べるのかな。それとも種族によっても違うのかな。


「私が普段使っているのと同じくらいです。」


「そうなんですか。父はもっと大きなお茶碗に山盛りで食べていましたから、それを基準に考えていました。」


 え!これより大きな茶碗に山盛り!?イズナさんの父親、というか私のお義父さん(予定)はラーメン丼でご飯食べている感じだろうか。

 それ基準となっていたら、せっかくイズナさんが作ってくれたご飯を残すことになってしまっただろう。危なかった……。


「ラスさんとクロの二人も一緒に食べることになったなら、調度いい感じですかね……?」


「そう、ですね。……でもクロは良く食べるので、一応お魚だけ焼いておこうかと思います。大根はあったかしら?」


 私の余計なお世話かもしれない心配も大丈夫そうだ。良かった。最後の大根のやつは独り言だと思う。魚焼くと言っていたし、大根おろしにするのかな。


「もし無かったら私が買いに行きましょうか?」


 大根って神域内で売っているのかな?それとも人間のスーパーかな?スーパーに行く場合車で片道20分かかる。往復40分、あっここと家の往復にも時間かかるし、買い物時間とかも考えると一時間弱くらいかかるかも。

 いや、近所の人から分けてもらうとかもあるか?その場合私じゃどうにも出来ない。


「大丈夫ですよ。無かったとしても、すぐ裏の畑に行けば収穫出来そうなのがあったはずですから。」


 そっか、私の出番は無いか。裏の畑も気になるが、私が行って良い場所なのかはわからない。出しゃばってごめん。だが、スキあらばまた出しゃばらせて貰おう。何かしたいのだ。いや、失礼となるかもしれない。一言だけ伝えて大人しくしておくか。


「そうですか。他に何かあったら、遠慮せずに申し付けて下さい。こ、ここっ恋人なんですから。」


 恋人だと言いたいだけ説あり。

 いや違うのだ、『恋人だから』と頼られてみたいのだ。こんな事で頼られても恋人アピールにもならないのだが、他の事で頼られる事は当分なさそうなんだもの。私が神域の事を知らなさすぎて。


「ふふふっ、ありがとうございます。」


 イズナさんは笑顔を向けてくれた。

 もしかしたら、私の考えていることを察してくれたのかもしれない。

 その笑顔はまさに天使の様だった。いや神使だ。でも天使だ。




 私がイズナさんの笑顔を見て癒やされつつもニタニタ笑顔をしていると、ズダダっと誰かが走って近付いてくる音が聴こえてきた。このワイルドな足音は……もしかして、クロだろうか?

 ピシャーン!と誰かが部屋へと入って来た。


「ケイーーーッ!!!」


 ドスッ!

 ナイスタックル!!だが今の私はパッシブスキルでカッチカチだから問題ないのだ。

 そしてタックルの主はやはりクロだった。この家はイズナさんとタマモちゃんの家、というか代々の土地神様の家なのかと思うのだが、こんな感じでいいのかな?それとも、イズナさんと仲良しみたいだし、普段からよく来ていて勝手知ったるなんとやらってやつだろうか。


「ケイ!今日はケイの妹いないから飛びついても大丈夫!!」


「やあ、クロ。こんにちは。」


 もしかしたら、もうこんばんはと言った方がいい時間帯かもしれないが。

 今日もクロは飛びついて来た。というか、抱きつかれているなう。当たっているなう。

 それにしても、クロは可愛いなぁ。クロの尻尾はブンブンと振られている。思いっきりわしゃわしゃして可愛がりたい衝動に駆られる。もちろん年頃の女の子にそんな事しないけどね。あ、いや、年頃じゃなかったとしても女性にそんな事はしないよ。……いやいや、男にもしないからね?

 だがしかし、今の私はイズナさんとお付き合いをしている身なので、この状況はマズイのではないだろうか?イズナさんの方をチラッと見てみる。


 イズナさんは苦笑いを浮かべている。


 これは、ドドドとやって来たクロに対しての苦笑いか、クロに抱きつかれている状況に対しての苦笑いか。クロに抱きつかれている状況に対しての苦笑いも、拒否しない「私」に対しての場合もあれば、「クロ」に対して仕方ないわねという場合もありうる。

 どうするべきなのだ!?

 クロに「私はイズナさんと付き合っているから抱きついてはダメだよ」と伝えるべきか?……いや、私とイズナさんが恋人となったことを伝えていいのだろうか?つい先程そうなったばかりなので、特に何も決めていないのだ。きっとクロ達に伝えちゃダメなんて事はないだろうけれど、それを勝手に判断してしまっても良いものだろうか。いや、勝手に決めるの良くない。いや、このくらいなら相手はクロだしいいか。いや、やっぱり良くない。いや、いや、いや、どっちだ。

 ならば、そうだ、異性に抱きついてはダメだよと伝えるのが良いだろうか。今はそうするしかないか。うん。


「クロ、あまり異性に抱きついたりしてはダメだよ?」


「???」


 首をかしげるクロ。


「クロは男の人に抱きついたりしないよ?」


「え!?ちょっ、私は男だよ!女性だと思われていたの!?」


「ん?知ってるよ?クロ最初から解ってたよ。」


 ど、どういう事だってばよ?


「クロが抱きつくのはケイにだけだよ。他の男の人に抱きついた事ないよ?」


 ぐふっ……。

 これはかなり効いた。ズキュンときてしまった。そんな事言われたらときめいてしまうよ。

 ただ、これは、きっと、男女としての好意を向けられているのではなく、友達として仲がいいと思われているのだろうと思う。そして、もっともっと仲良くなりたい、と思ってくれているのだろうと思う。

 語弊を恐れずに言えば「懐かれて」いるのだと思う。もちろん、人と人としてである。

 とか考えている最中であるが、もちろん今も抱きつかれ継続中である。なんとかしなければ……。

 どう返事をすればいいのだろうか?などと考えていると……


「そういえばケイ、すっごく硬くなってるね!!!」


 違う!違う違う違う違うっ!!!!

 皆様、違うんです!

 そうじゃない!そうじゃないんです!!

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