っっっっっ!!!!!!!!!!!
「……はい。」
なので小声で応えた。……いや、声の大きさの問題じゃないって解ってるけどさ。
「その、すごく、興味があります。……ですが!その、春姫ちゃんから、耳や尻尾を触るのがどういった意味を持つのか、教えて貰いました。だから、その、無理はしないで下さい。」
何とかそこまでは伝えた。
イズナさんはそれを聞いて、ちょっとムッとした様な表情に変わった。だが、そのムッとした様な表情の中にもどこか恥じらいを感じる様な、なんとも堪らん表情である。
「……ですから、私は、それを良いとお伝えしているのです。」
イズナさんは言葉を発しながらもどんどん赤くなってきた。目がウルウルとしてきた。もはやムッとした表情もどこへやら。両手で顔を覆う直前。こみ上げてくる恥ずかしさを抑えきれないといった状態に見える。でもなんとかギリギリで我慢している。その我慢している姿がまた尊い。
いや、ダメだダメだ!何を現実逃避しているのだ!
私は気を使わないで下さいねという雰囲気を出しておいて、結局は自分が傷つきたくなかっただけだ。「傷つきたくないから勘違いさせないでね」と言ってしまったという事だ。その結果、イズナさんに恥ずかしい思いをさせてしまったのだ。
なんて卑怯なんだ。
自分が勘違いして赤っ恥かく方が良い。想い人に恥かかせてまでも守りたいほどのプライドか?いや、そうまでして護らなければ危ういゴミな心だからか。
まさに矮小で卑怯な小者だ。
イズナさんの隣に立つ資格なんてないだろ。
だけど、変わってみせる。あなたの隣にに並び立てる様になる。大きくなる。
「イズナさん。私はイズナさんが好きです。あなたの隣に立つ人に私はなりたい。まだ出会ってから短い時しか経っていませんが、イズナさんには心に一本の芯があるのを感じます。強く美しく、眩しく感じます。その隣に立ちたい。一緒にいたいのです。」
さっき言いそびれた内容を伝えた。
「は、はあ……?」
イズナさんが言ってくれた事への返事ではなく、まだ私が言いたい事を言っているだけなので、イズナさんも困惑するよね。イズナさんが良いって言ってくれたのに、また告白しだしたんだもの。
「これから、この神域で私も生きていこうと思っております。霊力について学び、身体を鍛え、心も鍛えて、この里の役に立ちたいのです。」
「はいっ!それはとても嬉しいです!!」
話の流れがよくわからないと思いながらも、私の「里の役に立ちたい」という決意表明?は嬉しく思ってくれた様だ。
「その時、物理的に近くにいるだけでなく、その、こっこっこっ恋人として一緒にいたいのです!一緒に過ごしたいですし、耳も尻尾も触りたいです。」
さっきの告白と合わせて残りの告白、からの、もふりたい告白。
おっさんからの告白、普通ならば耳にするだけでかなりの殺傷能力があるだろうと思う。だが、イズナさんはきちんと受け止めてくれる。
イズナさんは……微笑んでくれた。そして―――
「……はい。私でよろしければ、よろしくお願いします。」
うおおおおおおおおおおっっっ!!!魚!
「ありがとう。イズナさんがいいんです!やったあああぁぁぁああああっ!!!」
自分ん家じゃないのに大声で喜んでしまった。
って、そうだ、そうだった、アレだ、アレを伝えていない!
「って、そうだ!その、伝えていない事があります!」
「えっ?はい、なんでしょうか?」
「いくらでも待ちます!いつまでだって待てます。イズナさんは先刻……春姫ちゃんの魅了の術の時、人間は短命だから、土地神になることを諦めるか迷っていると言っていました、私は霊力的に長生きするそうです。春姫ちゃんからそう聞きました。なので、イズナさんが土地神になるまで、いつまででも待ち続けます。」
「っっっ!!!!!!!」
私がそう伝えると、イズナさんが息を吸いこみ、そして動きを止めた。
「私は妖精になったから、少なくとも数百年くらいは生きるそうです。」
「っっっっっ!!!!!!!!!!!」
私が妖精になった事も伝えると、イズナさんはさらに息を吸い込んで目を大きく開いて驚いた表情となってしまった。




