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はっはひっ!

 さて、決戦は5時か。

 ……どうしよう。何て言おう。何と伝えよう。いざ時間が迫ってくると何も考えられなくなってきた。

 思いの丈をそのまま伝えてみるってさっき言ったけど、このままだとイズナさんの目の前で「あ〜」とか「う〜」とか言って時だけが過ぎてしまうのが自分でも想像できる。

 プロポーズってもっとちゃんと考えてするものだよね!?と叫びたくもなるが、神域的には勢いとかも大事らしいし、神域文化に則れば逃げずに今日行くべきだ。

 いや、プロポーズなどと考えなくても、とりあえず告白だ、告白。将来の結婚を前提とした、告白だ。

 よし、腹をくくれ。ふおー!はっふーん!





「ねえねえ、おにいちゃん!時間あるなら遊べる?」


 これはタマモちゃんだ。いつの間にか春姫ちゃんからタマモちゃんへと交代していた様だ。

 遊ぼ?じゃなくて遊べる?と聞いてきたのは、私の様子を見て気遣ってくれたのかもしれない。

 ここは応えなければおっさんが廃るというものである。


「うん、一緒に遊ぼう!!」


 事案ではない。一緒に遊ぶだけである。

 告白の事で頭がいっぱいになりかけたけど、今日私が来ることはタマモちゃんも楽しみにしてくれていた様子だし、タマモちゃんを蔑ろにするわけにはいかない。ここでタマモちゃんを蔑ろにする様なやつにイズナさんへ告白する資格はないのだ。


 私が遊ぼうと返事をすると、タマモちゃんは嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

 そのあまりの可愛さに、よ〜しおじさん張り切っちゃうゾ〜!と心の中で言っちゃう。我ながらなかなかのおじさんである。

 いや、違う!私は今『おにいちゃん』だからそんな事は考えちゃダメなのだ。さあ、一緒に遊ぼうじゃないかタマモちゃん!!……なんかこれも違うか。まあいいや、とにかく遊ぼう。




 ふぅ。短い時間だったが私も童心に返ってタマモちゃんと一緒に遊んだ。存分に楽しんだ。


 そう、そうなのだ。

 私達はお医者さんごっこをしたのだ!!!

 診察をしたし、診察されちゃったりもしたぞ!


 ……なんて事にはなっていないので安心していただきたい。

 一緒にお絵描きをしたのだ。それだけである。

 最初は炬燵の対面に座ってそれぞれ絵を描いたのだが、また私の膝の上?胡座の上?にタマモちゃんが座って二人で一つの絵を描いてみたりもした。

 猫を描いたんじゃないよ。それカボチャ描いたんだよ。

 ……私の方が下手だったけれど、タマモちゃんが笑ってくれたから良し。




 楽しい時が過ぎるのは早いもので、タマモちゃんと遊んでいたら一瞬で決戦の時間となってしまった。


「そろそろラスとクロが来る頃じゃの。」


 ん?春姫ちゃんターンか。ラスさんとクロのカードを場に伏せてターンエンド。

 だが私はここからイズナさんへのダイレクトアタックをするのだ。……ごめん、ルールはあまりよく知らないんだ。アニメはたまに見ていたんだけどね。バイクに乗ったりするやつと、かっとビングのやつ。


「じゃあイズナを呼ぶからの、この部屋でアレをするのじゃぞ。妾とラスたちは別室で話すからの。」


 春姫ちゃんは炬燵から、というか私の膝の上から立ち上がり、奥の方へと去っていった。その顔は少しニヤニヤしていたが、そんな表情も可愛らしかった。ケモミミロリのニヤニヤ表情、新境地の開拓である。タマモちゃんはしない表情だと思うので春姫ちゃん限定表情だろう。


 なんて事を考えていると、先程春姫ちゃんが出ていった奥の襖がスーーーッと開いた。イズナさんである。

 ドクンドクン。

 ハートがヤバいくらい激しいビートを刻みやがるぜ!……じゃない、何を言っているんだ。落ち着け。


「さきほど、春姫様が何か不思議な表情をしていらしたのですが、ケイさん何か知っています?何かあったのですか?」


 あっ、イズナさんも春姫ちゃんのニヤニヤを目撃しちゃったんですね。


「あの、はい、それはですね、あったというか、これから、ですね。」


「???」


 イズナさんの頭の上に?が浮かんでいるのが見えた様な気がした。

 良くわからないけど、それ以降は突っ込みはせず、急須から湯呑にお茶を注いでくれた。お茶請けは、これは漬物かな?野沢菜の漬物っぽく見える。


「ありがとうございます。これは野沢菜ですか?」


「はい、こちらは長野県にある神域から野沢菜を頂いたので漬けてみました。どうぞ、味をみてみて下さい。」


「おお、いただきます!」


 ぽりぽりぽりぽり。

 そしてお茶をズズー。美味い!

 野沢菜、美味いなぁ……。三歩さんがぽりぽり食べているのを見てからずっと美味い野沢菜漬けを食べてみたかったんだ。

 スーパーで売っているのを買って食べたことあるけど、あまりしょっぱくなくて、甘みや旨味を足している感じの味で、買ってまで食べたいものではなかったのだ。私が食べたいのは、家庭で漬けたしょっぱいやつだ。

 これは美味い。これを求めていた。大好きだ。


「美味しい!イズナさん、これすっごく好きです、大好きです。これ毎日食べたいです!!!」


「はっはひっ!」

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