起きたらすぐに契約じゃ!
「おぬしの場合、本来なら霊力交換、つまり霊力を対価にするのが一番効率良いのじゃが、おぬしという妖精の存在を世間に明らかにするまで待ってもらう事になる。あ、この世間というのは霊力関連社会の話じゃぞ。」
それは、はい。それも私の事を思った措置だと理解しております。
では、イズナさんからOK貰えて、アクセサリーの注文をお願いする時には日本円での支払いでお願いすます。
「うむ。わか―――」
はうあっ!!!
「何度やるんじゃその『はうあっ』てやつっ!」
……やっぱり、今の私にはプロポーズ出来ないよ。
だって、今現在の私、無職だから……!
土地神になる夢を諦めて、無職の私と結婚してくれだなんて、いくら何でも言えないよ。
一応、頼りに出来る縁故の宛はあって、来たかったらいつでも来いと言って貰えているけれど……。帰って来てまだ挨拶にも行けてないよ。
「あぁ……それについてじゃが、断ってもらいたいんじゃ。」
え?
「神域は、対外的にというか、人間社会的に一応第三セクターという立ち位置にもなっておるのじゃ。特に出資はされておらぬのじゃがの。ほぼ形だけのダミー企業じゃ。とはいえ存在している事にはなっておるし、人間の協力者を社員やアルバイトとして雇うには都合が良くての。あ、この都合というのは、主に雇った人間との金銭のやり取りの時じゃの。出所不明のお金として渡さずに済むでの。それで、この神域企業におぬしを社員として登用したいのじゃ。」
それは、私としても願ってもないです。
「よし!それじゃ、起きたらすぐに契約じゃ!今日から給金発生させちゃうのじゃ。」
縁故を頼ろうとした相手先には申し訳なくも思うけれど、妖精の事などを考えると、これ以上ないお話です。
「何なら、特殊人材の引き抜きという事にすれば、相手への多少の金銭を支払う事も出来るぞ?サッカーとかの移籍金みたいなもんじゃな。金額は少ないがの。」
そんな事が可能なの?……では、それをお願いします。それで、その分の金額は私の給与から差し引いて下さい。
「ああ、移籍金は神域からではなく、日本政府から支払われるから大丈夫じゃ。政府としても霊力の持つ人間には政府機関の職員となるか、神域関係者となって欲しいからの。神域に『人間』が在籍している事は政府としても安心材料の一つになる様なのじゃ。」
それなら……良い、のかな?
「神域企業の人間社員へは、政府から年に一度くらいの面談が申し込まれる様なのじゃが、他の里からの情報によるとお盆の少し後くらいの時期じゃとのことじゃからの、当分先じゃ。それまでには妖精関連の対策も整っておるじゃろう。」
わかりました。
「あ、言い忘れておったが、日本政府からは、引き抜き元の企業への移籍金とは別に、おぬしへの支度金も出るのじゃ。理由は移籍金と同じじゃな。」
おおっ!!!
マジか!
無職からいきなり就職先決定!からの、さらには支度金まで貰えちゃう!!!至れり尽くせりだ。
「ただ、すまぬが、妖精の事を秘している間は、あまり多くの給金を支払えぬのじゃ。」
それはしかたない、というか、当然だと思います。
まだ私は何も出来ないですから。しばらくは学ぶだけになります。お金を頂けるだけでありがたく思います。
「何度も言うが、妖精は吸収しやすい膨大な霊力を放出しておるからの。存在するだけでも里を豊にするのじゃ。里が受ける恩恵の方が大きいのじゃ。」
いやいや!と言いたいけれど、キリがないもんね。今はその言葉を受け取って、今後その分も成長して里に貢献出来る様に頑張るよ。
「『貢献』などと考えずとも良いのじゃが、この里を愛する者としてその言葉を嬉しく思う。それでじゃ。就職も決まったし、プロポーズも可能じゃの。」
くぁwせdrftgyふじこlp……またソワソワしてきた!
「じゃあ、現実に戻るかの?」
は、はい!お願いします。
「じゃ、ピチュるぞ。」
それ違うと思―――
ピチューン




