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……って聞いておらんの

「神域はちょっと脳筋ぽいというか、ガツンといけという風習じゃからの。覚悟がどうのこうの言ってる暇があるならとりあえず突撃じゃ!という感じになってしまうのじゃ。あ、物事全てに対してそういうわけではないぞ?色恋沙汰に関しての話じゃからの。イズナは当然、そういった中で育ってきておる。書物から人間の恋愛事情を多少は知ってはいようが、根幹はやっぱり突撃じゃ。それに、人間の恋愛事情も人によって千差万別じゃろう。千差万別なんじゃから俺の場合はこうなんじゃ!と言われればそうなんじゃが、結婚は二人の事なんじゃから、それぞれの希望や考えをしっかり伝えて、二人で決めていけばいいんじゃないかの?」


 そ、そうなのかな……。


「今回の場合は付き合うのをすっ飛ばしてのプロポーズという事になっとるから、より難しく考えてしもうているのじゃろうが、プロポーズしてOK貰えたら即日結婚、すぐさま夫婦生活!というわけでもあるまい。結婚というより、結婚を大前提としたお付き合い、くらいに考えたら良かろ。婚約じゃな。」


 う、うぅ……。

 何て言うか、覚悟というカッコいい言葉を盾にして、自分が『しない理由』を正当化していたのかな……。


「神域的な考えならそうなってしまう事もあるかもしれんが……イズナの事をおぬしなりに考えておるのも、妾には伝わってきておるでの。」


 ありがとう。

 でも、年齢も離れているし……。


「人間の世界ではロリコンアウトになるかもしれんが、ここは神域じゃ。イズナはもう成人しておる。神域は長寿の者も多いでの、年の差婚は珍しくも何ともないのじゃ。年の差百年以上の夫婦も普通におるのじゃ。年の差なぞ関係なく、本人同士の問題じゃ。」


 そう、なんだ……でもやっぱり自身が無いよ。きっと、ずっと、好かれているのは『妖精効果のおかげ』とか思っちゃうよ。


「そんなもん、もうおぬしは妖精なんじゃからどうしょもなかろう。」


 でもそれは、気付いたら持っていたものでしかなくて、努力して勝ち取ったものじゃないから……。


「でもでもでもと、『でも』ばかり並べるのぅ。さっき『しない理由』を正当化とか何とか自分で言っておったじゃろが!」


 ……ぐうの音も出ない。


「……おぬしは、おぬしの『中身だけ』に惚れてほしかったのかの?おぬしがどう望もうが、おぬしというのはの『おぬしの総て』がおぬしなんじゃぞ?おぬしの一部分でけで勝負するのではなく、おぬしの全部で向き合ってやるのじゃ。」


 !!!!!!!!!!!!


 …………。


 ……そうか。その通りだ。

 なんてワガママで独りよがりな事にこだわっていたのだろうか。

 目が覚めたよ。重ね重ね、ありがとう。本当にありがとう。

 無性に叫びたくなった!

 あーーーーーーーー


「あとの、一応言っておくのじゃが……、妾は器も無いし霊力の吸収もないからの、おぬしの、その妖精効果は妾には効いておらぬのじゃ。じゃから、妾がおぬしを気に入っているのは……って聞いておらんの。」


 おあーーーーーーーー


「なんじゃ?ゴリのマネか?おお!?吼えた!!って反応するべきかの?」


 ありがとう、春姫ちゃん。起きたら、イズナさんに伝えてみるよ。


「うむうむ。それは良かったのじゃ。ほんのついさっきまでウジウジしとったのに、スッキリした良い顔になったのう。」


 あぁ、伝えるぞと決めたら決めたで、ソワソワする!


「まあ、待て待て!落ち着くのじゃ。」


 落ち着けない、落ち着けないんだ春姫ちゃん!!


「んー、これ以上話をしても頭に入らんか……よし!しかたない、あとはまた後日とするのじゃ。現実へ帰還するのじゃが、イズナに何を伝えるか、整理はできておるのか?」


 ありがとう。また後日、よろしくお願いします。

 イズナさんへは、思いの丈をそのまま伝えてみるよ。プロポー……はうあっ!!!


「ふおっ!?いきなり何じゃ!ビビったのじゃ!」


 ごめん!でもてぇへんだてぇへんだ!!

 本当に大変だよ!!!

 プロポーズするって決めたけど指輪用意していないよ!!!

 って言うか、神域でのプロポーズって何か仕来りとかってあるのかな?


「そうじゃの、こちらでは結婚するときに普段身につけられるアクセサリー類を贈る事が一般的じゃの。指輪に限らず、腕輪でもネックレスでも構わないのじゃ。そのアクセサリーに守護の術を込めて、お互いに贈り合うのじゃ。ただ、人間の文化でいう、給料三ヶ月分みたいな高価な婚約指輪とかの風習はあまりないのう。」


 そうか、今持っていなくても、これから用意すればいいのか。……術を込めるのって、私にも可能でしょうか?


「術に関してはおぬしの資質次第じゃ。まぁ、おぬしの霊力量ならば、技術的に拙くとも霊力ゴリ押しするだけで神具級の物が出来上がるじゃろうて。」


 なら良かったぁ。

 あ、術を込めるアクセサリーって人間の作った市販品でもいいの?それとも神域の制作物でなければ術を込められないとかあったりする?


「市販品でも可能ではあるのじゃが……おぬしの莫大な霊力を込めると流石に爆発しかねんの。」


 爆発!?


「おぬしが錬成……はまだ無理じゃろうから、それ用の物を取り寄せる事になるの。普段使いになるから、アクセサリーの種類は相手に聞いて決めるのが良いじゃろうの。何にするか決まったら妾が取り寄せの手続きをするがそれで良いかの?」


 お手数かけますが、よろしくお願いします。

 ……って、まだOK貰っていないんだけどね。勇み足が過ぎるかな?


「段取り知らなくて後で慌てるより、事前に聞いて流れを把握しておく方が良いじゃろ。」


 それもそっか。

 ところでそのアクセサリーって……はうあっ!!!!!


「今度は何じゃ!って、あぁ、そうか。神域でも通貨としては日本円を使用できるぞ。物々交換や霊力交換もあるがの。」


 あ、日本円使えるんだ……良かった。

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