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世界樹ではないぞ

「妖精とは、おぬし自身にとってはの、『自分が妖精』であるという事を、ただ霊力が非常に強力だというくらいの認識でかまわんのじゃ。まあこれは妖精だから霊力が強いのではなく、霊力が強いから妖精に到れたというのが正しいのじゃがの。おぬしは妖精であるからこうした方がいい、こうしなければならない、とかは無いのじゃ。『妖精』だから生じる義務も責任も特にないのじゃ。霊力が強いゆえの力の責任を負って欲しくは思うし、いずれはこの里の役職に就いてもらいたいがの。」


 なるほど……力の責任は、どう負えばいいのかも含めて学んでいかねば。


「うむうむ。そうしてくれると助かるのじゃ。」


 にっこり笑顔でうむうむと頷いてくれている春姫ちゃん可愛い。守りたいこの笑顔。私がこの笑顔を崩させる事はないように気をつけよう。


「それでの、おぬし以外にとってはおぬしという妖精の存在は非常に特異な存在での。周囲にとってのおぬしの性質を一言で表せば、凝縮した大自然の化身じゃな。」


 そう言えば、初日に大自然みたいな事を言われた気がする。


「あれは妖精についてではなく、イズナたちがおぬしをどう感じたかじゃが、大体合っているのじゃ。さっき言った事を含め、そのおさらいから話してゆくぞ。」


 はい、どうぞよろしく春姫ちゃん。


「まず、霊力の器のことになるのじゃが、自分以外の外部に存在している霊力を吸収することにより成長しておる。自分の霊力では霊力の器を成長させることはできんのじゃ。呼吸の様に主に大気中から吸収しておる。ただ、霊力ならばなんでも好きなだけ吸収できるわけではないのじゃ。生物には霊力にそれぞれ個別の波長があっての、指紋や虹彩の様に個人個人で違うものなのじゃ。霊力吸収にはこの波長が問題での、波長が違うと霊力をほとんど吸収できぬのじゃ。」


 そういえば、イズナさんは吸収ではなく浴びると表現していた気がする。ニュアンスは少し違う様に思えるけど、何を言いたいかは同じ事だろう。

 波長については、確か、私には波長を感じないとか何とか。そんな感じのことを言われた気がする。


「そうじゃ。波長がほとんど無いのはおぬしと言うよりは妖精としての特徴じゃの。」


 ……ということは、妖精は生物ではないということになるのかな?妖精ってゾンビ?


「そうじゃな、ゾンビ、リビングデッド、そういったものの類じゃな。」


 え!!!マジすか!?

 えぇ、うっわ、いつの間にか死んじゃってた……?


「冗談じゃ。そんな訳なかろう。」


 うぉビックリした!本気にしちゃったよ!!本気で絶望しかけたよ!ひどいよ!!


「すまんすまん。まさか本気にするとは思わなんじゃ。じゃがおぬしが先に妖精ってゾンビか聞いてきたんじゃろが。」


 う……そうだね、私が最初に冗談で言っちゃってたね。ごめんなさい。


「良い良い。良い驚き具合だったのじゃ。それで霊気の波長なんじゃが、強弱があっての。自我が強い生物ほど波長が強いと言われておる。簡単に言うと、植物は弱くて動物は強い。虫は弱くて哺乳類は強い。イメージとしてはこんなもんでいいじゃろ。何事も例外はあるがの。昨日墓参りの後に見たじゃろ?あの桜の巨木は例外中の例外じゃ。」


 あぁ、あの桜の木!でかかったもんなぁ……世界樹(仮)。


「ちなみに世界樹ではないぞ。世界樹は他国にあるのじゃ。」


 あるんかいっ!


「なんじゃその雑なツッコミの様なものは。」


 ごめん。世界樹なんてファンタジー世界の話だと思ってたから、つい……。って、神様も獣耳さんもいるの知っちゃったし、今更ファンタジーも何もないよね。


「ちなみにエルフもおるぞ。」


 !!!!!!!!!!!

 ま!?


「おぬしを襲った悪霊を退治したのがエルフ達じゃ。あの国では土地神はハイエルフと呼ばれておるの。」


 くっ、私はエルフとニヤミスしていたのかっ!!


「実際には全く涙が流れていないのに心では血の涙を流しておるとは、なかなか面白いことをしよるの。」


 やっぱり、耳尖ってて、金髪で、木に住んでいて、弓が得意で、えっとそれからそれから……その、やっぱ美男美女なのかな?それとも……?


「耳は一応尖ってはいるが、角とか触覚みたいなほどには尖っておらぬぞ。もしかしたら人間でもいるかもしれないレベルの尖り具合じゃ。人間社会に紛れ込んでも、ほんの少し特徴的なだけですむ程度じゃ。金髪もおるが、特に金髪と決まっているわけではないの。神域が森にある場合はツリーハウスの集落になっている様じゃが、神域は森以外にもあるでの。その場合は現地の普通の家じゃの。弓は一般教養として習うそうじゃが、当然じゃが得手不得手はあるようじゃの。顔は、まぁ、美男美女揃いじゃの。」


 おおぉ……。

 ミーハー的な質問全部に答えてくれてありがとう。

 ツリーハウスの集落、いいなぁ、見てみたい。


「まぁ、他国の者がおいそれと入れる場所ではないようじゃがの。しかし、妖精であるおぬしならば……いつか行く機会もあるかもしれぬの。」


 そっかぁ。……しかし行ってみたい所だらけだな。

 エルフのツリーハウス以外に、冬の里にも行きたい。春、冬ときたら、夏や秋の里にも興味がある。

 秋の里はやはり美味しいものだらけなのかと期待しちゃう。夏の里は、巫女服は暑いだろうから普段着が水着……水着巫女服だったらどうしようか。


「水着巫女服とは何じゃ!?」


 ん?いや、そうか、水着巫女服じゃなくて巫女水着ということか。


「何を言っとるのか理解が追いつかんのじゃ。……って、すぐ妾に着せる妄想しよるのじゃ。妾はフリー素材ではないのじゃ。」


 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!でも絶対似合う!

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