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ぐむむ……

「キノコでおぬしの器にヒビが入り、それが当時の神使の回復術で修復された。これがかなりの強化に繋がっておるの。ヒビだらけになった茶碗を強力接着剤でヒビを埋めて、さらには全面コーティングされたみたいなもんだと考えればイメージしやすかろ。」


 なんとなくイメージ出来る気がするけど、その例えだと見た目的には強化というより劣化じゃないかと思っちゃう。でもこの時は、茶碗よりもその接着剤の方が頑丈だということだよね。

 それはそうと、私というクソガキのキノコ拾い食いというバカな行動が、親だけでなく知らないうちに関係ない人にまで迷惑かけた上で、自分の器が強化されて得をするという事態。本当にヒドイな。会える時は、せめて高級なお菓子を用意しとこう。調べておかなきゃ。


「……いや、そのときは、本人がもっとも欲しているものを用意出来るやもしれぬのじゃ。」


 えっ!それにしたいです。恩人ですから、喜んでもらいたいです。


「本人の秘密に関わるので内容について今は言えぬが、何らかの形で叶えられる様にしておくのじゃ。」


 春姫ちゃんありがとう!超可愛い!大好き!


「これこれ、そんな事を言っておると襲ってしまうぞ?」


 頬を赤らめながらそんな事を言う春姫ちゃん可愛いな。望むところだ!!!と叫びたくなるがグッと我慢する。


「全部聴こえておるぞ。」


 そうだった。

 私の全部を見た上でこうやって普通に接してくれるのって、何というか、こう、ものすごく刺さる。

 バレているので正直に言ってしまえば、たまらない。そして尻尾に全身で絡みつきたい。尻尾吸いたい。

 だがしかし、イズナさんを悲しませてはいけない。これ以上泣かせるわけにはいかない。


「……まあ、イズナについてはまた後での。先におぬしの事じゃな。」


 はい。話を脱線させてごめんなさい。続きをお願いします。


「ここからしばらくは特に何もないの。当時でもおぬしほどの器ならば何かしらの原因で霊力に目覚めるものなんじゃが、おぬしはビックリするほど目覚めなかったの。」


 そりゃあ普通の人間だもの、霊力に関わることなんてないよ。


「霊力に関わる事があればさすがに目覚めたじゃろうが、別に霊力関係なく目覚めるものなんじゃ。特に、おぬしの器の強度は常人を逸脱しておるからの。あ、キノコ事件は別じゃぞ。神域のキノコや回復術を受けたりしておるが、器が壊れかけで目覚めるどころじゃなかったはずじゃ。」


 キノコ事件……なんだか切ない響きだなぁ。

 それで、霊力関係なく目覚めるものなの?そういうものなの?


「そうじゃ。一般的には大怪我じゃったり、激しい運動じゃったり、過度のストレスじゃったりと強度の高いものの場合が多いのじゃが、単に転んだだけとか、寝不足とかでも霊力が目覚めるきっかけになりうるのじゃ。おぬしほどならば、クシャミで霊力に目覚めたとしてもおかしくなかったのじゃ。」


 クシャミ!?


「おぬしが霊力に目覚めなかったのは、それほどまでにおかしいという事じゃ。」


 それほどなのか……。もしもどこかで目覚めていたらどうなっていたのかな?


「普通ならば霊力に目覚めた程度で何か変わることもないのじゃ。そのままそれまで通りと何も変わらぬ生活が続くのじゃ。じゃがおぬしの器からして、人間としてはかなりの霊力になったであろうから、いずれどこかの霊力関係者に感知され、スカウトなんかもあったかもしれぬの。」


 そうかぁ、漫画みたいな世界だろうか。おばけ的なものにしろ、バトル的なものにしろ、怖そうだからなぁ。


「そういったのも無いこともないのじゃが、大抵は公務員じゃの。」


 公務員?国に霊力に関わる機関があるの?


「むしろ無いほうがおかしいじゃろ。まぁ、一部の人間しか知らないようじゃがの。」


 ……そうだよね。霊力を知る前ならいざ知らず、霊力どころか土地神という存在を知った今ならば、国にそういった機関が必要だと解る。


「この辺の事もおいおい知っていけば良かろう。続きに戻るぞ?」


 はい。お願いします。春姫ちゃん可愛い。


「……変なちゃちゃを入れるでない。」


 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

 でも、春姫ちゃん照れてる?こんな私なんかの褒め言葉に照れてくれてる!?ぐぅ……。


「妾は、この姿で誰かと話しすのは初めてなんじゃ……。面と向かって可愛いと言われるのはおぬしが初めてなんじゃ……。」


 なんと!

 でも、普段タマモちゃんと一緒にいるのに、その時は違うの?


「タマモとは念話でのやり取りじゃ。相手の精神内に構築した妾の空間には誰も入ってこれないのじゃ。それから、記憶を読み取る相手は眠らせているから普通に夢を見ているだけじゃ。」


 えっ、じゃあ私は?


「おぬしがおかしいんじゃ。最初おぬしがここに現れたときは内心驚いたのじゃ。じゃが、おぬしが妖精だと判った今は納得じゃ。妖精ならば何でもありじゃな。」


 妖精というのがイマイチわかりません。


「それは後での。」


 何度も話を脱線させてしまいすみません。


「良い良い。おぬしにとっては自身の事で未知の事なのじゃ。仕方ないのじゃ。」


 優しい。好き。


「そういうのはやめい!」


 すみません。でも、止まりません。どうやって止めればいいのか解りません……。可愛いのは罪なのだと思って諦めて下さいすみません。


「ぐむむ……。」


 ぐむむ可愛い!


「……。」


 あぁそのジト目も愛らしい!たまらんです!!


「……諦めたのじゃ。妾は心を無にするのじゃ。」


 その、すみません。お手数かけます。


「続きに戻るのじゃ。」


 はい。……諦めた表情も可愛いです。

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