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最後の一本も開けようぜ!

 荷物を二階の自室に運び入れ、居間へと戻る。

 あ、自室はやはり母が軽く掃除してくれていた様だ。ホコリ等もなく、布団もすでに用意してくれていた。ありがたい。母ちゃんありがとう。


 居間に戻るとテーブルにいくつか料理が運ばれて来ていた。私も運ぶくらいはしなければ。

 台所へ行くと、おぉ!私の好物を中心にいろいろ作ってくれた様だ。唐揚げに天ぷらに里芋の煮っころがし、玉ねぎ入りの玉子焼きも作ってくれてる。嬉しい。

 母と妹にいろいろ作ってくれてありがとうと伝える。それから妹にはただいまを、母には部屋の掃除と布団をありがとうも伝えた。

 さあ、さっさと運んで、食べよう食べよう。お腹減った。





 久しぶりの実家のご飯は美味かった……。

 ご飯中にまずは私がいた県の地酒(有名なやつだったのでこれだけは大きな瓶)を開けたのだが、久しぶりの実家のご飯を味わいたかったから私はほうじ茶を飲んでいた。酒はあまり呑まない母も最初だけお猪口で一杯は飲んだがその後はお茶だった。いつの間にか居間にいた父はコップで一杯を少しずつ飲んでいた。

 夕食時の姉と妹以外で酒の消費量は0(私)+お猪口1(母)+コップ1(父)だけなのだ。だが気付いたときには、私が買ってきた酒瓶は残り1本になっていた。十本くらいあったはずなのに、マジか。すげぇな。

 あ、どれも少しずつ私の分は残してくれているのね。ありがとう。予め「俺も味をみたいけど、お猪口一杯分くらいでもあればいいから。後は好きに呑んでね。」と言っておいたのだが、言った自分が忘れてた。

 確かに今日はゆっくりと食べたのだ。久しぶりにこの家族だけが揃ったのだから、いろいろな話をしたのだ。時計を見ると二時間くらいの時が過ぎている。

 でもまさか姉と妹がこんなにも呑んでいるとは。たくさん買ってきたから余るだろうし、1、2本ずつ持って帰って貰おうかな、などと考えていた事が恥ずかしくなってきた。足りてねぇじゃねぇか。次の機会があればもっと買わねば。


 まあいいや。最後の一本も開けようぜ!あと、飲んだ中でどれが美味かったかオススメ一本ずつ教えれー、それは飲んでみたいけど、それ以外のは飲んじゃってくれー結構腹いっぱいだ。





 翌朝、思ったよりすんなりと起きる事ができた。酒はあまり飲まなかったが、夜明け前から一日運転していたので疲れて……あれ?思ったより疲れてなかった様な……?いや、道中は疲れていたはずなのだ。だが、思い起こすと夕食時には疲れを意識していなかった。

 あ、もしかして、アレか?車の中が聖域レベルってやつの影響か?いや、道中は確かに疲れていた。途中の道の駅のベンチで温かいほうじ茶買って飲んでた時は「疲れたーこのまま寝てー」と思わず声に出してしまってのを覚えている。

 まあいっか。下に降りて朝ご飯食べるか。


 下に降りると母がおにぎりとお稲荷さんを作っているところだった。


「おはよう。今日は皆起きてくるのは遅いかもと思って、おにぎりとお稲荷さん作ってるの。」


 私は昨日の運転で疲れていて、姉と妹はしこたま呑んでいたから、起きてくるの遅いかもしれない。今日は皆ゆっくり寝させてあげよう、朝ご飯は起きた人が好きに食べられるようにと考え、おにぎりとお稲荷さんを作ってくれていたのだそうだ。ありがたいことです。


 せっかくだし、私も一緒に作るか。昨日は食べる専門だったし。むしろ邪魔になって効率が悪いかもしれないが、まぁ、ごめん。文字通りの『お邪魔します』。自分の食べる分くらいは作ろう。

 おにぎりは、不格好ではあるがどうとでもなる。が、お稲荷さんは明らかに中身詰め過ぎである。ぱんぱんになった。デカい。まぁ自分で食べるんだから、いいか。



 お稲荷さんを見て、頭にイズナさんが思い浮かんだ。お稲荷さんといえば狐だよね。ラノベとかアニメとかだと狐獣人はお稲荷さんが好物だったりすることがあるが、イズナさんはお稲荷さん好きだったりするのかな。


 イズナさんで思い出したけれど、神社にも行かなきゃな。

 そのうち呼び出しがあるそうだが、それとは別の話。普通のお参り。大学入学でここを離れる前にもお参りしたのだ。帰ってきたならまたお参りに行くべきだろう。

 荷物の整理とか軽くしたら、午前のうちにお参りに行ってこようかな。

 そうだ。せっかくだしお稲荷さん持って行ってプチピクニック気分で食べようか。

 

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