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あっ、玄関先なので

 とりあえずドライブデート発言については華麗にスルーをする。クロのちょっとボケてみた発言だった場合はツッコミ出来なくてごめん。

 深く(深くない)考えずに「お出かけ楽しみだね。」くらい言えれば良かったのだが、デートという単語に過剰反応してしまった私には無理な話であった。



 皆降りたし、荷物出してもらったらこの場はお開きかな。名残惜しくはあるが、夕飯だもの。今日の我が家の夕飯は私の帰りに合せてくれていつもより早い時間帯ではあるが、獣耳巫女さんたちが何時くらいに夕飯食べているのかとかもわからないしね。


「荷物どこに出す?部屋に運ぼうか?」


「いやいや、悪いよ。車の中にテキトーな感じで出してもらえたらそれで十分だよ。」


 クロが家まで運ぼうかと提案してくれた。優しい。だけど、そこまでしてもらうのは申し訳ない。ただでさえ私の為に時間を使ってくれたのだ。それに、帰ってからまだ自分の部屋に入ってないから、部屋の状態がわからない。以前使っていた部屋が再び自室となるのだが「帰ったら自分で掃除とかする」と伝えてある。母が軽く掃除とかしてくれた可能性もあるが、それを勝手に当てにするわけにもいくまい。


「そう言えば、今日帰って来たばかりでしたね。では玄関の中に出すくらいならケイさんの手間も多少省けていいんじゃないかしら?」


 と、ラスさんが新たに提案してくれた。確かに助かるし、そのくらいならばお願いしちゃおうかな。

 でもラスさんは私の部屋事情を知らないはず。もしかしたら、私の部屋にいかがわしい物が散乱している可能性を危惧したのかもしれない!

 ……まぁ、普通に、帰ってきたばかりで部屋が片付いていないと思ったんだろう。クロは気にしないかもしれないが、私がその状態を見られるのを気にする可能性に配慮してくれたのだろう。


「では、それでお願いできるかな。」


「うん、わかったー!」


 クロを連れて玄関に入り、荷物を出してもらう(若い女の子を家の中に連れ込んだとかがついつい頭に思い浮かんでしまう。自分の心よ黙れ!)。

 そしてまた家を出る。


「ありがとう、クロ。助かったよ。」


「どういたしまして!えへへ。」


 お礼を伝えると、クロは尻尾をブンブン振りながら嬉しそうにしてくれた。

 これは、撫でたい。撫でたくてたまらない。だがアレはイケメンの特権だ。イケメン以外のやつがしてはいけないのである。心を鎮めるんだ。

 ブンブン振られる尻尾を見ている為か、ふと頭にムツゴロウさんが思い浮かんだ。これだ!中学生年代の女の子の頭をナデナデしたいわけではない、ワシャワシャとして可愛がりたいのだ!

 クロをワシャワシャと……余計ダメだな!!

 などと考えて悶々しているとイズナさんが、


「では、我々はこれでお暇しますね。あっ、玄関先なのでケイさんは……」


 と言い、人差し指だけ立てた右手を口元に持っていってからの、シーッ。そしてふふふっと笑ってくれた。

 イズナさんと私の最初のやり取りと同じだ。その時は私が頷いてしまった為、彼女の意図とは少しズレてしまった。でも今回は周りには家族がいない。反応していいだろう。

 私はゆっくりと頷き、そして笑う。

 最初のシーッのときはお互いに謝るという事態になってしまったが、今回は二人で笑い合う事ができた。なんか、すごく、良いな。

 ただ、片や狐耳巫女服超美少女、片や四十路おっさん。私の視界が素晴らしい分、相手側の視界におっさんスマイルがあると思うと可哀想になってくる。



 笑い合う(私にとってだけ幸せな)時間はそんなに長くは続かない。最後に「ではまた、後日に。」とだけ言い残し三人は帰って行った。私は三人の後ろ姿に手を振っていたら、途中で気付いてくれて三人も手を振り返してくれた。

 さて、私はそろそろご飯か。

 の前に、せっかくクロが玄関まで荷物届けてくれたんだから、自室に運び入れるか。よいしょ。

キリの良い所?まで一気に出しました。

これ以降はゆっくり更新となります。

しばらくは一日一話となります。


ここまで読んで下さった方いらっしゃいましたら、どうもありがとうございました。

どうか、今後ともよろしくお願いします。

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