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一同は再度指令室の来賓用ソファーに掛けていた。


梵創者「ウゥ厶・・・」


梵創者がソファーに掛けたまま身体を小刻みに動かしウィービングの練習をしている。


旅団長「梵創者は足腰の筋力が弱いのでトレーニングをするべきですね。鏡を見ながら練習するのがオススメですよ」


梵創者「技術じゃなくてキンリョク不足・・・オススメのトレーニング方法はアリますか?」


旅団長「砂浜で走るのがオススメです。足場の悪い所で走り込むと足腰をバネの様に使わなければいけないので強制的に鍛えられます。少し見てて下さい」


旅団長がソファーから立ち上がり高速でウィービングやダッキングを繰り返していく。ジャブやストレートを織り交ぜ変幻自在の攻撃や防御を立体的に行っていく。まるで芸術作品を見てる様な完成された美しさだ。


梵創者「キレイ・・・」


旅団長「ありがとうございます。まぁ、この動きは副旅団長に習ったのですが」


梵創者「そうナノ?」


副旅団長「少し経験がありまして、こういう動きは私の得意分野なのです」


梵創者「へ~・・・部下であるフクリョダンチョウに教えてモラウって事は、この動きはフクリョダンチョウの方が得意なのデスか?」


旅団長「そうですね。これに関して言うなら、私よりも副旅団長の方が強いでしょう」


梵創者「・・・リョダンチョウよりも強い、か」


旅団長「練習を行う際に意識するのは残心を常に警戒する事です」


梵創者「ザンシン?」


旅団長「攻撃後に相手の攻撃に備える心構えの事です。打拳の打ち終わりに油断をして攻撃を貰ったり、ウィービングやダッキング後に避けた事に慢心して攻撃を貰ったり。それを防ぐために残心を警戒して常に動き続ける事が大切です。それを意識して練習を行うことで実践でも使えるようになります」


梵創者「ナルほど」


旅団長「この司令船艦には専用の設備が揃っています。そこで練習すると良いですよ」


梵創者「ワカリました!」


旅団長「まぁ、これも副旅団長からの受け売りなのですが」


副旅団長「懐かしいですね。またボクシング勝負しますか?今の所、私に全敗ですよね?」


旅団長「次は負けないわよ?」


副旅団長「望む所です」


梵創者「・・・ボクはこのフタリに追い付けるのかな」


ツキナ「それは努力次第っすねー」


旅団長「魔王様、再度ご質問をお許し下さい。時間を超越した打拳の打ち方を賜りたく存じます」


魔王「ん?ああ、そういうばそうだったな」


梵創者「ボクもキキたいです!」


魔王「これを見てくれ」


魔王が右拳を一同に見せた。その拳がゆっくりと消えていく。


旅団長「拳が消えましたね」


副旅団長「・・・拳がこの世界に存在していない、という事でしょうか?」


魔王「副旅団長の言う通りだ。これは『技滅因覚理合・逆理』と呼称される身体操作法の一つだ。世界には速度領域が設定されているのは分かるよな?」


旅団長「はい」


梵創者「ボクのセカイもアリます。設定しないと物質がカタチを成さなくナリますカラ」


魔王「速度とはつまり時間だ。この速度領域を技量で脱出する事で結果的に時間を超越する事になる。具体的には魔力を筋肉繊維に通して関節部分で爆発を起こす。その感覚を魔力を使わない状態で再現する事で人間では無し得ない攻撃速度を生み出せるんだ。その練習を積み重ねてくと、壁にぶつかる感覚がする」


旅団長「壁にぶつかる感覚ですか?」


魔王「言葉で説明するのは難しいんだよな。まるでゼリーのようなプニプニした感触がするんだ」


副旅団長「プニプニ?なんだか可愛いですね」


梵創者「・・・ゴクリ。ソレって世界の変数じゃ」


魔王「そうそう。世界の変数を直接触る事が出来るんだ。それをグシャッと突き破ると時間を超越出来るぞ。これが時を超越する打拳の打ち方だ」


旅団長「拳が消えてるのもその術理なのですか?」


魔王「ああ。これは拳を震わせてるんだ。その速度がこの世界より速いんだ」


梵創者「・・・ソコまでトウタツするのにドレ程の鍛錬を?」


魔王「うーん、随分昔だしよく覚えてないな。まぁ一つ言えるのは地道に努力を積み重ねるしかこの理合を身に付ける方法が無いって事だ。近道なんて存在しない」


旅団長「ありがとうございました!参考にさせて頂きます」


副旅団長「私も参考にさせて頂きます!」

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