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異界の梵創者は恐怖に支配されていた。身体を動かそうと必死の抵抗を試みるが絶望に染まった思考がそれを許さず、ただ目の前の存在を凝視して身体を震わせるのが限界だった。


梵創者だけでなくその場に居た全員が強大な魔力に気圧されていた。


旅団長は立ち尽くしたまま魔力を呆然と眺め、副旅団長は尻もちを搗いたまま声にならない悲鳴を発し、梵創者は来賓用のソファーに掛けたまま身体を丸めて震えていた。


梵創者「・・・ぅう・・・ヒ・・・!」


副旅団長「・・・あぁ・・・あ・・・!」


旅団長「こ、国王様・・・そろそろ・・・!」


国王「む、これはすまなかったな。魔力1%指定封印」


旅団長「わ、分かるかしら副旅団長!この人に戦意喪失をした意味が!」


副旅団長「あぁ・・・ぐっハア・・・無理、これは無理れす・・・!」


国王「まぁこういう事でな。封印状態にしないと、いつ気が抜けて加減が緩むか分からないからな」


梵創者「・・・ヒ・・・ヒ・・・!」


国王「あのー、大丈夫か?」


梵創者「ア・・・ヒ・・・!」


国王「思考は働くが口が動かない様だな。誰か精神回復の魔法掛けてやってよ」


旅団長「わ、私が行います!」


国王「副旅団長、大丈夫?」


副旅団長「りゃ、大丈夫れす・・・!」


国王「呂律も回ってないし脚もガクガクじゃないか」


副旅団長「ぐぅ!この程度・・・!ハア・・・ハア・・・国王様の魔力、凄いですね。噂に違わぬ圧倒的な力、敬服致しました!」


旅団長「私は絶対に超えられない壁を久方ぶりに見せつけられた気分です」


国王「旅団長は流石だな。恐怖に全く浸食されていない様だ」


旅団長「幾度かご拝謁しておりますので。それに私は国王様を目標に訓練は欠かしておりませんから」


国王「うむ、それはなによりじゃ」


旅団長「なんですか、その喋り方・・・」


国王「老兵なりの感慨深さに浸っておるのじゃ。部下の成長は嬉しいのじゃ」


梵創者「・・・リカイした、エンザンの秘密」


国王「お、回復した?」


梵創者「ヒ!・・・ハイ!回復しました・・・」


国王「そんなに怖がらなくてもいいじゃん」


梵創者「・・・世界をゲンゴで表せない程の数を壊滅させても余りあるゼツダイな魔力。その力の老連さから汲み取れるのは、エンザンは永い時を掛けて裏付けされた努力と経験が成せる技、でアッテいますか?」


国王「その通りなのじゃな」


梵創者「・・・演算だけで世界の全てを手中に収めてソウサするなんて、オソロシイ人間。アレ?1%ってどういう事デスか?」


国王「そのままの意味だ。私の魔力の内1%を解放したんだよ」


梵創者「1%で・・・ボクの世界が数え切れないほどのシツリョウ!?」


国王「そんなに怖がらなくてもいいじゃん」


旅団長「国王様、それは無理かと」

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